マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけとは?付け方のコツや注意点を徹底解説!

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけとは?付け方のコツや注意点を徹底解説!

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけとは?付け方のコツや注意点を徹底解説!

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)による矯正を行う上で「ゴムをかけることがある」と、なんとなく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。矯正治療で「ゴムをかける」とは、一体どのような治療でしょうか。

 

ゴムかけは矯正治療の効果を高めるために必要な工程で、マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)による矯正を検討しているのであれば、必要性や効果についてしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

 

そこで今回は、マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけについて解説します。種類や付け方のコツ、注意点なども解説するので、マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)やマウスピース矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

そもそもマウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)とは?

ケースに入ったマウスピース

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)によるとは、アメリカのアライン社が開発したマウスピース型矯正ブランドのことです。アライナーと呼ばれる形の異なるマウスピースを段階ごとに交換しながら装着して、歯を動かします。従来の矯正治療では、歯に固定式の装置を取り付けていましたが、マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)による矯正では取り外し可能なマウスピースを自分で交換して矯正治療を進めます。

 

マウスピースは薄い透明なプラスチック製で目立ちにくく、矯正治療中の見た目を気にする方でも始めやすい矯正装置です。また、自分でマウスピースを取り外すことができるため、食事や歯磨きなどもいつもと同じようにできるので普段の生活スタイルを変えることなく治療を進めていくことができるでしょう。

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけとは?

電卓をもって考える看護師

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけとは、歯科用の小さなゴムを上下の歯やマウスピースにかけて、細かい調整を行ったり矯正力を高めたりする方法のことです。「顎間ゴム」や「エラスティックゴム」と呼ばれ、ゴムが戻る力を利用して歯を動かしていく補助を行います。医療用のゴムを万が一飲み込んでしまっても、便と一緒に体外へ排出されるため、過度な心配はいらないでしょう。

 

マウスピースで歯並びを整え、顎間ゴムで噛み合わせを整えるような役割を担っています。そのため、理想的で機能的な歯並び・噛み合わせへ近づけるためには、必要不可欠なものといえるでしょう。

 

ゴムをかける場所には、ボタンと呼ばれる突起物を歯に直接取り付けたり、マウスピースへフックを設置したりします。ボタンには金属製やプラスチック製のものがあり、それぞれの場所や症例によってフック、メタルボタン、プラスティックボタンを使い分けます。金属アレルギーがある方は、プラスチックボタンかフックを使用してもらうよう、事前に医院へ伝えておきましょう。

 

ゴムかけの効果

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)でのゴムかけは、歯を動かすことの補助として活用されます。ゴムかけで歯を動かすのではなく、上下のズレや噛み合わせの改善をシミュレーション通りに歯を移動させるための補助を目的としています。大きさは直径3~6mmほどのゴムを使用していきます。

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)の場合は、ゴムをかける場所が歯にかける場合とマウスピースにかける場合があります。強すぎるゴムをかけてしまうと歯が予期せぬ方向に移動してしまったり、またマウスピースが歯から浮いてきてしまう場合もあります。弱すぎるゴムでは効果が得られませんので、自分で勝手にゴムの強さを変えることは絶対にやめるようにして医師の指示通りのゴムを使うようにしましょう。

 

顎や歯に違和感や痛みを覚えた場合には、ゴムの使用を一旦中止して医師へ速やかに相談するようにしてください。

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムのかけ方

歯の模型を使って磨き方を説明する衛生士

ゴムのかけ方によって効果が異なり、それぞれの症例に適切なゴムのかけ方をします。マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)で使用されるゴムのかけ方の種類は以下のとおりです。

 

  1. Ⅱ級ゴム
  2. Ⅲ級ゴム
  3. 垂直ゴム
  4. 交叉ゴム
  5. 顎内ゴム

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)で使用するゴムは、自分で取り替える必要があるため、場所によってはかけるのが難しいケースもあります。指でかけるのが難しい場合は、専用のスティックを活用しましょう。また、着脱の方法は、通院している医院で練習を行っておくことをおすすめします。

 

Ⅱ級ゴム

Ⅱ級ゴムは、主に出っ歯の改善に使用されるゴムのかけ方です。上の歯は後ろへ、下の奥歯は前へ移動する際に使用され、上顎の前から3番目の歯と、下顎の前から6番目にかけるケースが多いです。

 

ゴムをかける際のコツは、鏡を見ながら奥歯にゴムをかけ、指や専用のスティックを活用して前側へ引っ張ってゴムをかけます。難しい場合は、逆の順番でも構いません。ボタンやフックが見えづらい場合は、片方の手で頬を軽く引っ張ると見えやすくなります。また、外出先などでは鏡がないことも予想されるので、小さい手鏡も持ち歩いておくと便利です。慣れてくれば鏡なしでも簡単に取り外しできるようになります。

 

Ⅲ級ゴム

Ⅲ級ゴムは、主に受け口の改善に使用されるゴムのかけ方です。上の歯は前へ、下の奥歯は後ろに移動する際に使用され、上顎の前から6番目と、下顎の前から3番目にかけるケースが多いです。

 

ゴムをかける際のコツは、Ⅱ級ゴムと同じ要領で鏡を見ながら奥歯にゴムをかけ、指や専用のスティックを活用して前側へ引っ張ってゴムをかけます。慣れてくると指で簡単にかけられるようになりますが、きちんとかかっているか、鏡を見て最終確認をするようにしましょう。

 

垂直ゴム

垂直ゴムは、前歯や奥歯が噛み合っていないような開咬(かいこう)の改善をする際に使用されるゴムのかけ方です。噛み合っていない歯を縦に引っ張りあわせるために、上下の歯へ垂直にかけて使用します。目立ちやすい部分にゴムをかけることもあるため、外出中は取り外したくなる方が多いですが、半透明の目立ちにくいゴムもあるため、気になる方は医師へ相談してみましょう。

 

垂直ゴムは、前歯の見えやすい部分へかける場合では、他のゴムに比べて比較的簡単に行えます。奥歯の見えにくい部分にかける場合では、慣れるまで少し大変ですが、上下のどちらかへ先にゴムをかけてから、反対側まで引っ張ってかけるとスムーズです。あまり強く引っ張りすぎるとゴムが切れることもあるので、適度な力でかけるようにしましょう。
垂直ゴムは短い距離でかけることが多いため比較的小さめのゴムを使うことが多くなります。

 

交叉ゴム

交叉ゴムは、奥歯の噛み合わせが上下反対に噛んでいる交叉咬合(こうさこうごう)や上顎の奥歯が外に出てしまい、下の奥歯と噛み合わずにすれ違って噛んでいる鋏状咬合(はさみじょうこうごう)の改善に使用されるゴムのかけ方です。クロスゴムと呼ばれることもあります。上下の歯に噛み合わせをまたいで裏と表にゴムをかけて使用します。

 

交叉ゴムは、慣れるまではゴムかけが難しいケースが多いです。マウスピースを装着した状態からゴムをかけるのは難しいため、あらかじめゴムをかけた状態でマウスピースを装着すると、少しかけやすくなるでしょう。上顎でも下顎でも、まず舌側の部分からゴムをかけてから、対顎の外側の部分にかけるようにするとかけやすくなります。
交叉ゴムは噛み合わせをまたいでかけるため、ゴムが噛み切れてしまうことも多いため、普段から予備を持ち歩くようにしましょう。

 

うまくかけられるようになるまで、歯科医院で練習するようにしましょう。どうしても難しい場合は、ゴムかけをさぼってしまう前に、医師へ相談するようにしましょう。黙ってさぼってしまうと効果がでず、治療が長引いてしまうばかりか全く噛み合わせが治らない原因にもなります。

 

顎内ゴム

顎内ゴムは、同じ顎の中で使用するゴムです。臼歯の遠心移動を行うために、アンカースクリューを骨に埋入することもありますが、そのアンカースクリューとマウスピースに顎内ゴムをかけることによって、歯列全体を後ろ側に移動する場合に使用します。また、1本だけ歯の移動が遅れて挺出不足が起きてしまった場合には、その歯の表側と舌側につけたボタンに顎内ゴムをかけて、歯を挺出させる場合等にも使用します。

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけに関する注意点

指をさして説明する看護師

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけは、マウスピースと同様に自分で行うため、いくつかの注意点があります。なかでも、以下の項目はしっかり意識して取り組むようにしましょう。

 

  1. 1日の装着時間を守る
  2. 伸びてきたら交換する
  3. 予備のゴムを持ち歩く

 

では、それぞれの項目をくわしく解説します。難しい内容ではないので、最後まで読んで頭に入れてしまいましょう。

 

1日の装着時間を守る

机の上に置かれた目覚まし時計

マウスピースの装着時間が決められているのと同様に、顎間ゴムも1日の装着時間が決められています。医師に指示されたとおりの時間をしっかり守って装着するようにしましょう。ゴムがかかっている時間が短いと歯がうまく動かず、スムーズに治療が進みません。マウスピースと同様に、食事や歯磨き以外の時間は装着を心がけることが大切です。場合によっては、夜寝るときだけゴムかけをする場合などもありますので、自分がいつ使うのか医師に確認するようにしましょう。

 

慣れるまではゴムかけに時間がかかったり、話しづらさを感じたりすることがありますが、数日のうちに慣れる方がほとんどです。きれいな歯列へ整えるためにも、しっかりとゴムかけを行いましょう。

 

伸びてきたら交換する

顎間ゴムは1日中かけていると、ゴムの弾性がなくなり効果が薄れてきます。常に同じ力がかかるようにする必要があるため、顎間ゴムは1日に1度は必ず取り替えるようにしましょう。伸びてしまったゴムをかけ続けていると、思うような効果がでない可能性があります。

 

また、ゴムが切れてしまった場合もすぐに新しいゴムへ交換しましょう。その際は、左右のどちらか一方のみ取り替えるのでなく、均等に力がかかるよう、両方のゴムを取り替えた方が良いでしょう。

 

予備のゴムを持ち歩く

ポーチを開ける女性

外出先では食事などでゴムを付け外しするタイミングが多いため、ゴムが切れてしまったり、外したタイミングで紛失したりするケースが多いです。万が一見つかったとしても、床などに落ちてしまったゴムは不衛生です。そのまま付け直すのではなく、新しいゴムを使用するようにしましょう。念のために、予備のゴムを複数個持ち歩いておくと安心です。

 

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけを行う期間は?

4月のカレンダーと鉛筆

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)では、早期の段階から治療全体を通してゴムかけを行い歯の移動をサポートをします。治療の終盤ではゴムの強さを変えて微調整を行って噛み合わせを整えていくようになります。

 

ただし、ゴムかけのタイミングやかける期間は症例や医院の方針によって異なるケースが多いため、最終的な確認は通院している医師へ行うようにしましょう。

 

まとめ

マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)のゴムかけについて解説しました。慣れるまでは手間のかかるゴムかけですが、きれいな歯列と機能的な噛み合わせへ整えるためには、欠かせない工程です。頑張ってゴムかけをして、美しい口元を手に入れましょう。

 

目白歯科矯正歯科では、日本矯正歯科学会の認定医が矯正治療を担当しています。それぞれの症例に最適な治療方法やライフバランスを考慮した治療計画を作成し、さまざまな矯正装置にも対応しているので、マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)による矯正を検討している方、矯正治療に関するお悩みがある方は、目白歯科矯正歯科へお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ) 目白歯科矯正歯科/院長

 

マウスピース矯正

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