矯正治療中に食べられないものは?〜装置別の食事制限と注意すべき食品

矯正治療中に食べられないものは?〜装置別の食事制限と注意すべき食品

矯正治療中に食べられないものは?〜装置別の食事制限と注意すべき食品

矯正治療中の食事、気になりますよね

矯正治療を始めようと考えている方、あるいはすでに治療を開始された方から、「食事制限があるのでしょうか?」というご質問を頻繁にいただきます。

確かに、矯正装置を装着すると、これまでと同じように食事ができるのか不安になるのは当然のことです。特に、大切な会食やお正月などのイベントを控えている方は、なおさら心配されることでしょう。

結論から申し上げますと、基本的に厳しい食事制限はありません。ただし、装置の種類によって注意すべきポイントがあり、食べ方に工夫が必要な場合もあります。

この記事では、東京医科歯科大学で矯正歯科を専門に学び、「目白歯科矯正歯科」で多くの患者様の治療を担当してきた経験から、矯正治療中の食事について詳しくご説明します。装置別の注意点、避けるべき食品、そして快適に食事を楽しむためのコツまで、実践的な情報をお伝えしていきます。

矯正装置の種類によって異なる食事の注意点

矯正装置には、大きく分けて「固定式」と「可撤式(取り外し式)」の2種類があります。それぞれの特徴を理解することで、食事の際の注意点も明確になります。

固定式装置(ワイヤー矯正・裏側矯正)の場合

ワイヤーを使用したマルチブラケット矯正装置や裏側矯正は、常に歯に装置が付いているため、食事の際には特に注意が必要です。装置が外れたり、破損したりするリスクを避けるため、食べ方に工夫が求められます。

これらの装置では、硬いものや粘着性のあるものが装置にダメージを与える可能性があります。また、装置の隙間に食べ物が挟まりやすいという特徴もあります。しかし、適切な食べ方を心がければ、ほとんどの食品を楽しむことができます。

可撤式装置(マウスピース型矯正)の場合

マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)は、食事の際に取り外すことができるため、基本的に食事制限はありません。これは大きなメリットといえるでしょう。

ただし、装置を装着したまま飲食すると、装置内で細菌が繁殖したり、装置が変形・破損したりする可能性があります。そのため、水以外の飲食物を口にする際は、必ず装置を外す必要があります。食後は歯磨きをしてから装置を再装着することが重要です。

マウスピース型矯正では、1日20〜22時間以上の装着が治療成功の鍵となります。食事のたびに装置を外し、食後には歯磨きをして再装着するという手順が必要になるため、この一連の作業が無意識的な間食を減らす効果も生み出しています。

固定式装置で注意すべき食品と食べ方のコツ

ワイヤー矯正や裏側矯正などの固定式装置を使用している場合、いくつかの食品には特に注意が必要です。ただし、「食べてはいけない」というよりも、「食べ方に工夫が必要」と考えていただくとよいでしょう。

硬い食品への対応

おせんべい、クッキー、ビスケット、フランスパンなどの硬い食品は、前歯でかじると装置が外れたり、破損したりする可能性があります。

これらの食品を食べる際は、小さく切って奥歯で食べるという工夫をしてください。「お上品に食べる」ことを心がけていただければ、問題なく楽しめます。りんごやとうもろこしなど硬い野菜も、丸かじりは避けて、一口サイズにカットしてから食べるようにしましょう。

粘着性のある食品への注意

ガム、キャラメル、ソフトキャンディ(ハイチュウなど)は、装置にくっついてしまうと取り除くことが非常に難しく、無理に取ろうとすると装置が外れてしまう可能性があります。これらは矯正治療中の「天敵」といえるでしょう。

特にキャラメルはソフトタイプのものが危険です。ハードタイプのキャラメルは問題ありませんが、ソフトタイプは装置にくっつくと溶けないため、矯正中は口にしないよう注意してください。

お餅やお団子について

お正月など、お餅を食べる機会は多いですよね。矯正医の中には「矯正中はお餅もだめです」という先生もいらっしゃるかもしれませんが、私は適切な食べ方をすれば大丈夫だと考えています。

ただし、焼いたお餅は控えてください。「つきたて」や「煮たお餅」にすることをおすすめします。もし装置にくっついてしまった場合は、無理にはがさずに少し待つか、お湯を含んでください。お餅は溶けるので、時間をかければ取り除くことができます。

骨付き肉や硬めのお肉の食べ方

骨付き肉は、食べてはいけないということではなく、食べ方が重要です。かじらないようにすれば問題ありません。骨付き肉の醍醐味は少し失われるかもしれませんが、ほぐして食べるなら構いません。

硬めのお肉についても同様で、かぶりつくことをしなければ大丈夫です。小さく切って食べるようにしてください。

繊維質の食品と装置の清掃

ほうれん草、ねぎ、にら、もやし、アスパラなどの繊維質の野菜、きのこ類、いちご、みかん、グレープフルーツなどの繊維質の果物は、装置に絡まってしまったり、装置間に挟まってしまう可能性があります。

鶏むね肉、骨付き肉、いか、えび、たこなど筋の多いお肉や魚類も同様です。これらの食品を食べた後は、フロスなどを使ってきちんと清掃することが大切です。除去せずに放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭が発生する原因にもなります。

着色が気になる食品への対応

「矯正治療中はカレーは食べてはだめ!!」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは都市伝説です。カレーを食べても矯正治療への影響は何もありません。

着色のメカニズムと対策

カレー、ミートソース、トマトソース、コーヒー、紅茶、赤ワインなど、色の濃い食べ物や飲み物は、矯正装置が着色する原因になる可能性があります。特にワイヤー矯正では、装置を固定するゴムが着色を起こしやすいという特徴があります。

白色ブラケットを使用している場合は、特に着色が目立ちやすくなります。ただし、着色が気にならなければ、これらの食品を食べても全く問題ありません。

矯正治療では、1カ月に1回程度、歯科医院でワイヤー装置を調整する際にゴムの交換を行います。色の濃い食べ物を食べたくなったときは、交換日の前日などに食べるとよいでしょう。また、食後すぐに水で口をゆすぐことで、着色を最小限に抑えることができます。

酸性の飲食物への注意

色が薄いからといって安全とは限りません。白ワインなど酸性度の高い飲料は注意が必要です。酸性の飲食物は歯の表面のエナメル質を粗くし、知覚過敏や、長期的には着色しやすい環境を作る原因となり得ます。

炭酸飲料、柑橘系ドリンクなども酸性度が高いため、飲んだ後は水で口をすすぐと安心です。無糖のプレーン炭酸水は相対的に低リスクですが、フレーバー入りや強炭酸はpHが下がる(酸性度が上がる)場合があるため注意が必要です。

マウスピース型矯正装置での食事管理

マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)を使用している場合、食事の自由度は高いですが、装置の管理には注意が必要です。

装着時間の厳守と食事のタイミング

マウスピース型矯正では、食事・歯磨きの時間を除く1日20〜22時間以上の装着が治療成功の鍵となります。この長時間の装着が、患者様の食事習慣に大きな変化をもたらすことがあります。

食事や飲み物を摂取する際には、必ずマウスピースを取り外す必要があります。そのため、「何か食べたいな」と思った時でも、マウスピースを外し、食後には歯磨きをして再装着するという手順が必要になります。この一連の作業が、無意識的な間食を減らす効果を生み出しているのです。

飲み物の選び方

水以外の飲み物(特に着色性のある飲料や熱い飲み物)はマウスピース装着時に避けてください。飲む場合は必ず外してから飲みましょう。甘い飲料はマウスピースと歯の間に入り込み、虫歯の原因になります。

コーヒー・紅茶・赤ワインなどはマウスピースや歯に色素がつきやすいので、飲んだ後はマウスピース・歯ともに洗浄することをおすすめします。

外食時の注意点

外食をする際は、装置を外して食事をすることになりますが、食後のケアを忘れずに行うことが重要です。外出先でのケア用に、歯ブラシ・携帯用マウスウォッシュ・歯間ブラシを持ち歩くと便利です。

外している間は必ず専用の清潔なケースに入れて保管し、乾燥や雑菌の繁殖を防ぎます。紙ナプキンに包むと紛失の原因になりますので、必ず専用ケースを使用してください。

食後のケアと虫歯予防

矯正治療中は、食事後の口腔内ケアが非常に重要です。食べかすが歯に付着した状態で装置を装着すると、虫歯や歯周病のリスクが増します。

効果的な歯磨きのポイント

食後に歯磨きをする際は、歯の表面だけでなく、歯間や歯ぐきの境目まで丁寧に磨くことが重要です。特に装置を装着する前は、見落としやすい奥歯の裏側や歯と歯の間の汚れまでしっかり除去しましょう。

磨く際には、ゴシゴシと強くこすらず、小刻みに優しく動かすことが大切です。強い力で磨くと歯ぐきを傷つける恐れがあります。短時間でも丁寧に磨く習慣が、虫歯や歯石の蓄積防止に直結します。

フッ素入り歯磨き粉の使用

歯磨きをする際は、フッ素入りの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。フッ素には、歯の再石灰化を促し、酸への耐性を高める効果が期待できます。虫歯菌の活動を抑制する効果もあるため、矯正中の虫歯予防につながります。

デンタルフロスや歯間ブラシの活用

歯ブラシだけですべての汚れを落としきることは難しいです。歯と歯の間や歯と歯茎の境目には汚れが残りやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。

デンタルフロスを使う際は、糸を歯の側面に沿わせ、ゆっくりと動かしながらプラークや食べかすをかき出すようにします。歯間ブラシは自分の歯間に合ったサイズを選び、無理なく差し込むことがポイントです。

これらを毎日のケアに取り入れることで、虫歯や歯周病の発生率を大幅に減らすことが可能になります。特に矯正中は歯間部に汚れが溜まりやすいため、意識的なケアが必要です。

まとめ〜快適な矯正生活のために

矯正治療中の食事について、装置別の注意点や避けるべき食品、そして快適に食事を楽しむためのコツをご紹介してきました。

基本的に厳しい食事制限はありませんが、装置の種類に応じたちょっとした配慮でトラブルを減らし、治療をスムーズに進めることができます。固定式装置では食べ方に工夫が必要ですが、マウスピース型矯正では取り外しができるため、より自由に食事を楽しめます。

どの装置を使用する場合でも、食後の丁寧なケアが虫歯や歯周病を防ぐ鍵となります。フッ素入り歯磨き粉の使用、デンタルフロスや歯間ブラシの活用を習慣化することで、矯正治療中も口腔内の健康を維持できます。

矯正治療は、美しい歯並びと健康的な咬み合わせを手に入れるための大切な期間です。食事の際の小さな工夫と丁寧なケアで、快適な矯正生活を送っていただければと思います。

矯正治療について気になることや、ご自身に合った装置選びについてのご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた最適な治療計画をご提案させていただきます。

詳しい矯正治療の内容や料金については、目白歯科矯正歯科の公式サイトをご覧ください。無料矯正相談も実施しておりますので、ぜひご利用ください。

 

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