2024/10/30
親知らずが生えていると歯並びが悪くなる?抜歯の必要性についても解説!
2023/02/21
Contents
歯列に関するコンプレックスや、噛み合わせの悪さを自覚しながらも「もう大人だから」といった理由で歯列矯正を諦めている方が多くおられます。しかし、大人だからといって歯列矯正が遅いことはありません。むしろ治療によってたくさんのメリットを得られるので、かかる費用や期間とあわせて確認しておきましょう。
歯列矯正は子どものうちに行うもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、矯正治療ができるかどうかは、年齢ではなく、歯を支えている歯茎や歯槽骨などの周囲組織が健康であれば、大人になってからでも問題なく治療を行えます。80歳を過ぎてから歯列矯正を実施した例もあるため、年齢を気にすることなく歯列矯正を行って、たくさんのメリットを享受しましょう。
大人の歯列矯正にかかる費用の目安は、以下の表にまとめたとおりです。
【大人の歯列矯正にかかる費用の目安】
装置 | 費用相場 |
---|---|
ワイヤー矯正(表側) | 60万~100万円 |
ワイヤー矯正(裏側) | 100万~150万円 |
マウスピース矯正 | 50万~120万円 |
裏側矯正(ハーフリンガル) | 80万~130万円 |
費用は治療の種類と範囲によって変わります。ざっくりとした目安としては、大人と子ども(小児矯正)の値段にさほど大きな違いはありません。小児矯正は40〜100万程度です。また、歯列矯正は基本的に保険適用外ですが、医療費控除の申請で実質的な負担を減らせる可能性があります。
大人の歯列矯正にかかる時間は、平均すると約2年~3年程度です。代謝の良い小中学生の矯正治療に比べると治療期間は延びる傾向にあると言われています。歯列矯正では、矯正装置を使って歯に圧力をかけ、骨を溶かす行程と骨を作る行程を同時に繰り返しながら少しずつ歯を動かします。急激に圧力をかけると、歯が耐えられずにダメージを負ってしまうため、一定の治療期間が必要になるのです。
ただし症状や口腔環境によって左右される要素が多く、治療期間には個人差があります。部分矯正の場合は数ヶ月で治療が完了するケースもあるため、くわしくは歯科医院で検査を受けて確認しましょう。
大人が歯列矯正を行うメリットを5つご紹介しましょう。
<大人の歯列矯正のメリット5つ>
それぞれの魅力をわかりやすく解説していきましょう。
見た目の印象が良くなることで、大人はたくさんのメリットを得られます。たとえば会議・商談・面接など第一印象が重要なビジネスシーンにおいて享受できるメリットは計りしれません。人前に出る接客業などに就かれている方なら、お客さんの好印象につながり、仕事がしやすくなるでしょう。
もちろんプライベートでも歯列矯正によるイメージアップを図れます。「出っ歯」「受け口」「口ゴボ」を改善し、美しい横顔の指標となる「Eライン」を作りやすくなることも歯列矯正のメリットです。何よりも自信を持って笑顔を見せられるようになりますから、恋愛や婚活も上手くいきやすくなるでしょう。
歯並びが悪いと、歯が重なり合った部分に歯ブラシが届きにくくなりますし、デコボコの部分には汚れが溜りやすくなります。歯列矯正で歯並びを整えれば、口腔内をメンテナンスしやすくなるため、虫歯や歯周病予防につなげることも可能です。
歯列矯正で歯並びを整えれば、これまで難があった噛み合わせを改善できます。「たかが噛み合わせ」と思うかもしれませんが、噛み合わせが悪いと以下のような問題が起こるため要注意です。
<悪い噛み合わせを放置するデメリット>
これらのお悩みを抱えている方の場合、歯列矯正により改善・予防ができるかもしれません。
子どもの場合は発達途上の顎の治療になるため、成長の度合いによっては治療が予定外に長期化するケースがあります。一方の大人はすでに骨格が完成しているため、医師の指示にしたがって治療を受けていれば、治療が長期化するケースはほとんど見られません。
噛み合わせが良くなれば、食べ物をしっかり噛んでから飲み込めるため、胃腸に過度な負担がかかりません。咀嚼がしにくい状態のまま過ごしていると、飲み込みやすい食べ物ばかり選んでいるうちに栄養が偏るリスクもあります。体全体の健康を維持するうえでも、歯列矯正はとても役立つのです。
大人の歯列矯正にはたくさんのメリットがありますが、反対に以下の6点には注意が必要です。
<大人の歯列矯正の注意点6つ>
それぞれの項目を、専門用語を取り除いてわかりやすく解説します。
とくに表側矯正で治療を行う場合、ブラケットと呼ばれる金属製の矯正装置を歯の表面に取り付けなければなりません。口を開く度に矯正装置が露出するため、見栄えが良いとはいえず、矯正期間中は人前で話しにくい・笑いにくい状態になりがちです。
解決策として、審美性の高い矯正器具を選ぶことをおすすめします。たとえばマウスピース矯正なら、透明なマウスピースを歯にはめ込むだけで歯列矯正を行えるため、見栄えが悪くなることがありません。その他にも「裏側矯正」や「ハーフリンガル矯正」など目立ちにくい治療法はいくつかあるので、医師に相談したうえで自分に合った矯正方法を見つけましょう。
歯列矯正中は力をかけて歯を移動させます。そのため痛みや違和感を覚える可能性があることにも注意が必要です。とくにワイヤー矯正の場合、矯正装置が粘膜にぶつかって傷を付け、口内炎を引き起こすリスクもあります。あまりにも痛みが強いと、仕事や家事に集中できなくなるかもしれません。
痛みの少ない矯正治療を希望する方には、マウスピース矯正の利用がおすすめです。マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて弱い力で少しずつ歯を移動させるため、痛みは軽減できると言われています。ワイヤーのように粘膜を刺激する可能性も低いため、口内炎のリスクを回避しやすいこともメリットです。
矯正期間中は歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。ワイヤー矯正の場合は矯正装置と歯の間にごみがたまりやすいため、念入りに歯磨きを行いましょう。マウスピース矯正の場合は、汚れが付いたままマウスピースを使い続けると、やはり虫歯や歯周病になってしまいますので、歯磨きをしてキレイな状態でマウスピースを使うようにしましょう。マウスピースに雑菌が繁殖することがあるため、取り外した際にぬるま湯で歯ブラシを使ってやさしく洗ったり、専用の洗浄液を使ったりなどのメンテナンスが必要です。
もしも矯正期間中に虫歯や歯周病にかかってしまったら、矯正治療をいったんストップして虫歯・歯周病治療を優先しなければなりません。そうなると矯正完了までにかかる期間が延びてしまいますし、最悪の場合は矯正そのものを最初からやり直さなければならないため要注意です。矯正期間中は定期的に通院して、検診を受けて異常がないか確かめましょう。
矯正期間中は、口腔内の矯正装置が邪魔をするせいで、話しにくさを感じる可能性があります。とりわけ「サ行」「タ行」「ラ行」の発音が難しくなるため、人前で話す機会が多い人は苦労するかもしれません。とくに矯正装置が舌に密着しがちな裏側矯正を選ぶと、滑舌が大幅に悪化しがちです。
発音に影響しにくい矯正方法としては、マウスピース矯正をおすすめします。マウスピースはとても薄く作られていますから、でこぼこな装置を取り付けるワイヤー矯正と比べて違和感が少なく、話しやすいのです。また、どうしても発音が気になるときは、一時的にマウスピースを取り外して矯正前の状態で話すこともできます。
矯正はひと月で終わるほど気軽な治療ではありません。とくに大人は子どもと比べて代謝が落ちており、矯正が完了するまでの時間がかかりがちです。矯正終了後に歯を固定する保定期間も含めると、3年~4年は矯正と向き合い続けなければならないでしょう。治療開始前の抜歯が必要な場合、さらにトータルの治療期間は延びてしまいます。
ただし、治療期間は症状や口腔環境によって大きく異なります。一概に時間がかかるとはいい切れないので、まずは矯正歯科を受診して検査を受け、治療完了までにかかる目安の期間を確認しましょう。
ブラックトライアングルとは、歯茎が下がったことにより、歯と歯茎の隙間が三角形に見える状態をいいます。
ブラックトライアングルは遺伝や加齢によるケースもありますが、歯列矯正によって引きこされることもあります。ブラックトライアングルの治療法はまだ確立されておらず、自然に治ることもありませんが、ブラックトライアングル自体は健康上大きな問題はありません。
ただ審美性の観点から気になる方もいらっしゃるかと思いますので、歯列矯正の治療前にリスクを把握しておきましょう。
大人の歯列矯正に年齢の上限はありません。歯を支えている歯茎や骨などの歯周組織が健康であれば何歳になっても矯正治療は行うことが可能です。最近では歯列矯正を行う高齢者も増えています。歯列矯正を受けることで、体全体を健康な状態へと一新できるため、年齢は気にせずに歯列矯正を始めましょう。
結論として、大人になってからでも歯列矯正はできますし、健康面での危険やリスクはありません。矯正によって見た目の印象が大きく変わり、虫歯・歯周病予防や噛み合わせの改善などのメリットも得られます。年齢制限もないので、ぜひ歯列矯正をご検討ください。
目白歯科矯正歯科は、矯正歯科専門のクリニックです。大人特有のお悩みにも柔軟に対応でき、目立ちにくい治療法や短期間で矯正が完了する治療法もご提案できます。まずは当院にお越しいただき、カウンセリングをご利用ください。
監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ)目白歯科矯正歯科/院長