矯正治療の相談で聞くべきことは?伝えるべきことや相談後の治療の流れを解説

矯正治療の相談で聞くべきことは?伝えるべきことや相談後の治療の流れを解説

矯正治療の相談で聞くべきことは?伝えるべきことや相談後の治療の流れを解説

矯正治療を行う際は、実際の治療を始める前に矯正に関する相談を行う場が設けられます。とはいえ、具体的に何を相談したら良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。治療の方法や治療にかかる期間・費用など、相談で尋ねておくと良い事柄はいくつか存在します。

 

当記事では、治療前に行う相談の概要や聞くべきこと、伝えるべきこと、実際の治療の流れなどについて解説します。記事を読むことで、治療前の相談や治療に関する準備ができ、「もっと詳しく相談しておけば良かった」と後悔するリスクを低減させられるでしょう。

 

矯正治療の開始前にはカウンセリングで相談できる

治療を始める前の初診の段階では、「初診相談」とも呼ばれるカウンセリングが行われ、治療に関するさまざまな相談を行うことが可能です。

 

歯列矯正は人生で何度も行われる治療ではないため、多くの人が治療前に不安や疑問を抱くことでしょう。こうした患者さんの不安や疑問を事前に解決し、安心して治療を受けてもらうために設けているのが初診相談です。

 

以下からは、治療前の相談の場で、特に医師へ尋ねておくべきことを紹介していきます。「疑問や不安は多いものの、どのようなことを尋ねたらいいかわからない」という方はぜひ参考にしてみてください。

 

矯正治療の相談で聞くべきこと

 

矯正治療の相談は、患者さんの不安を解消するためのものであるため、基本的にどのようなことでも聞いて問題ありません。とはいえ何でも質問できると聞くと、何から尋ねていいか迷ってしまうものでしょう。治療の相談では、以下の内容を聞いておくことをおすすめします。

 

・矯正治療の方法

・治療にかかる期間

・治療にかかる費用

・治療のリスク

 

上記の内容を尋ねておくことで、治療に関する具体的なイメージが湧き、不安から解放されやすくなるでしょう。

 

矯正治療の方法

矯正の方法には、いくつかの種類が存在します。たとえば、歯の表側にワイヤーでできた器具を取り付けて歯を動かす表側矯正もあれば、ワイヤーではなく透明なマウスピースを取り付けて歯並びを整えるマウスピース矯正もあります。

 

矯正治療は、方法ごとにメリットもあればデメリットもあるものです。どの治療法が合っているかは患者さんによっても異なるため、「どういった方法で治療が行えるのか」「自分にはどの方法が向いているのか」などを相談してみるのが良いでしょう。

 

「表側矯正は行っているが、マウスピース矯正は行っていない」など、病院によって対応している治療方法はさまざまです。「この方法でなければ治療したくない」といった特別なこだわりがある方は、その方法で治療ができるのかどうかを初診相談の時点で確認してみましょう。

 

治療方法の概要などについては医師に尋ねても問題ありませんが、事前にインターネットで基礎知識を入れておくと、よりスムーズに相談しやすくなります。

 

治療にかかる期間

歯列矯正は、基本的に長い時間をかけて行うものです。「こんなに長くかかるとは思わなかった」と後悔することがないよう、治療にかかる期間についてもしっかりとチェックしておきましょう。治療にかかる期間は、治療方法によっても異なります。

 

長い間治療を行っていると、患者さんによっては、就職活動や結婚式といったさまざまなイベントが重なる可能性もあるでしょう。「矯正器具をつけて結婚式に出たくない」「結婚式までには治療を終えていたい」など、イベントに合わせたスケジュールを組みたい方も多いはずです。

 

そういった方は、イベントの日時がどのあたりなのかを把握しておき、「1月に結婚式を行うが、それまでに治療を終えられるか」といった相談をするのもおすすめです。

 

もしイベントまでに治療を終えられないのであれば、治療をイベント終了後に始めるか、一時的に器具を取り外せるマウスピース矯正で治療を行うのもひとつの手でしょう。

 

治療にかかる費用

歯列矯正は、原則保険が適用されない治療となります。思わぬ高額な費用がかかって驚くことがないよう、治療にかかる費用は事前にしっかりと確認しておく必要があります。治療方法によっても発生する費用は異なるため、治療方法を決める際の判断材料にするのも良いでしょう。

 

複数の治療方法を用意している歯科医院であれば、すべての治療方法の費用を教えてもらい、比較してみるのがおすすめです。さらに余裕があれば、ほかの歯科医院でも費用を尋ねて比較検討すると、より金銭的に得をしやすくなります。

 

治療のリスク

歯列矯正を行ううえでは、いくつかのリスクも生まれるものです。具体的には、器具を装着することで歯磨きするのが難しくなる・治療を行っていく中で顎関節の異常や歯肉退縮といったことが起こる・歯が動くことで痛みを感じたり歯が動揺したりするなどが挙げられるでしょう。

 

歯列矯正は歯並びを美しくできる魅力的な治療ですが、良い点だけを見て治療を始めると、思わぬ苦痛を感じて辛くなる可能性もあります。治療を始める前には、しっかりとリスクについても把握しておかねばなりません。

 

歯列矯正に限らず、病院で受ける治療は、どれもある程度のリスクを抱えているものです。治療を受ける際は、治療のメリットだけでなく、リスクやデメリットについてもしっかりと伝えてくれる歯科医師に任せると安心できます。

 

矯正治療の相談で伝えるべきこと

歯列矯正を安心して行うためには、事前に以下の内容を伝えておくことがポイントとなります。

 

・治療への不安や悩み

・治療への希望

・矯正治療の予算

 

治療への不安や悩み

歯列矯正は初めて行うケースも多いため、少なからず不安や悩みを抱えている方がほとんどです。治療を始める前に、自分が抱えている不安や悩み、心配事をしっかりと伝えておきましょう。

 

事前に伝えることで、治療中に思わぬトラブルが起こったり、治療に関する認識のズレが起きたりすることを防ぎやすくなります。また、悩みを伝えておくことで「この治療法であればその悩みを解決できるので、こちらの方法にするか」といった提案をしてもらえる可能性も出てくるでしょう。

 

たとえば「人前に出る仕事をしているので、器具が目立つのが嫌だ」と感じているのであれば、治療していることがわかりにくいマウスピース矯正を提案してもらえるかもしれません。

 

さらに不安や悩みを相談しておくことで、歯科医師の人柄についても事前に確認しやすくなります。患者さんの不安に優しく寄り添ってくれる歯科医師であれば、矯正を始めてからも安心して治療を進めていけるでしょう。

 

治療への希望

「歯列矯正を行うことで、自分はどのようになりたいのか」についても医師に相談しておきましょう。具体的には、見た目を美しくしたい・食べ物を噛みやすくしたいといったものです。治療を受ける動機や、治療を受けることで叶えたい願いなどを伝えておくことで、治療における目標を設定できます。

 

医療行為に絶対はないため、100%希望が叶うとは限りません。しかし、希望を事前に伝えておけば、それを達成できるプランなどを提案してもらいやすくなるでしょう。

 

矯正治療の予算

先ほどの通り、歯列矯正にかかる費用は決して安くありません。治療のために自分がいくら出せるのかについては、しっかりと伝えておきましょう。

 

歯列矯正の費用は、使用する器具の種類によっても大きく異なります。あまり高いお金を出せないと伝えておけば、比較的安く行える治療を提案してもらいやすくなります。

 

矯正相談後の治療の流れ

相談を行ったら、実際に治療を始めていきます。具体的な治療の流れは病院によっても異なりますが、多くの医院では以下のような流れで治療を進めます。

 

➀相談・ヒアリング

➁精密検査

➂治療

④メンテナンス

 

それぞれのフェーズについて、順番に見ていきましょう。

 

➀相談・ヒアリング

前述の通り、まずは歯列矯正に関する相談やヒアリングを行います。患者さんの疑問に歯科医院が回答したり、患者さんが抱えている悩みに寄り添ってプランを提案したりする場です。またこの段階で、治療にかかる費用も提示されるケースがあります。

 

相談やカウンセリングは、無料で実施している歯科医院も多くあります。歯列矯正を行うか迷っている方は、無料の相談やヒアリングだけでも気軽に行ってみるのが良いでしょう。

 

➁精密検査

患者さんのお口の中がどのような状態になっているかを確認するために、いろいろな精密検査を行っていきます。具体的には、以下のようなものを実施します。

 

・歯科用CT

・レントゲン撮影

・咬み合わせの確認

・歯型の印象採得

・歯型模型の作製

・口腔内や顔の写真撮影

 

患者さんによっては、口内の状態をチェックするために、歯周病検査や唾液検査を行うケースもあるでしょう。

 

検査を実施したら診断結果を患者さんへご提示し、具体的な治療方法や費用、治療にかかる期間などを説明していきます。事前の相談で予算や希望の治療方法を伝えておけば、当フェーズで治療に関する認識のズレが生じる心配を減らせるでしょう。

 

➂治療

まずは歯磨きの練習を実施し、そのあとクリーニングを実施してから器具を取り付けます。治療中は1〜2ヶ月に1回ほどのペースで来院し、器具を調整したり、治療の状況を確認したりします。

 

治療にかかる時間は、1回あたり30〜60分程度です。器具の装着期間は治療方法によっても異なりますが、2年程度が平均となります。こうした治療期間や来院ペースについても、相談の時点で尋ねておくと安心できるでしょう。

 

歯並びがきれいになったら、器具を取り外します。そのあとは、リテーナーという装置を保定期間中(2〜3年ほど)装着します。リテーナーは、歯が元の並びに戻らないようにする装置です。リテーナーの装着中は3〜4ヶ月に1回のペースで通院し、矯正した歯並びをしっかりと定着させていきます。

 

④メンテナンス

保定期間が過ぎたら、治療と保定は完了になります。そのあとは定期検診を実施し、口内の状態をチェックしたり、歯のクリーニングを行ったりします。こうしたメンテナンスを欠かさず行うことで、口内にトラブルが発生しにくくなるだけでなく、万が一病気になった際もすぐに見つけて早めに治療を始めやすくなるのです。

 

まとめ

歯列矯正の治療を行う前には、治療に関して相談を行える場が設けられます。治療の方法や期間、治療に関する悩みなどを相談しておけば、安心して治療を行いやすくなるでしょう。

 

目白歯科矯正歯科は、矯正歯科を専門で行うクリニックです。知識と経験豊富な院長がすべての患者さんを診るため、安心して治療を受けていただけます。歯列矯正を行ってみたいと思っている方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ)目白歯科矯正歯科/院長

 

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