2024/10/30
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2022/07/25
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歯列矯正はブラケットやマウスピースなどの矯正装置を使って行います。しかし、歯並びがきれいになった後に何もしなければ「後戻り」が発生する可能性があり、治療完了から一定期間はリテーナー(保定装置)を使って歯を固定しなければなりません。
この記事では、リテーナーの装着期間やメンテナンスの手順、そして治療費についてわかりやすく解説します。リテーナーに関するよくあるトラブル例も紹介するので、歯列矯正を行う前の方も、すでに治療を開始している方も、内容を確認してみてくださいね。
リテーナー(保定装置)とは、歯列矯正を行ったあとに発生する「後戻り」を防ぐための装置です。リテーナーは歯列矯正で使うブラケットやマウスピースと同じように、歯に接着剤で取りつけるタイプのものと、自分で取り外しするタイプの2種類があります。そのため、装着後の手入れ方法なども事前に知っておかなければなりません。
リテーナーは、歯列矯正後の歯並びを固定するために必要不可欠な装置です。リテーナーは歯が移動し、理想的な歯並びが実現したあとに取りつけるため、面倒で邪魔に感じることがあるかもしれません。しかし、後述する後戻りを防ぐために、歯科医師から指定された期間は必ず装着を続けましょう。
後戻りとは、歯列矯正後の歯並びが、歯列矯正前の位置に戻る現象です。歯列矯正が終了し、矯正装置を取り外した直後の歯は、まだ周囲の骨や歯肉が安定していません。そのままの状態で放置していると元の位置に戻ろうとする力が働き、せっかくの治療が台無しになってしまいます。
数年かけて行ってきた歯列矯正を無駄にしないためにも、リテーナーを使って後戻りを防ぎましょう。
症例によっても異なるため一概にはいえませんが、目安として2年程度は使い続けることがおすすめです。保定観察によって歯の動揺度や歯並び、咬み合わせの安定度などを確認し、継続する必要がなくなれば2年よりも短く取り外せる場合もありますが、反対に一生涯にわたっての使用をおすすめする場合もあります。
装着期間は1日20時間以上が目安となり、取り外しができるタイプであれば食事中や歯みがきの際は取り外すことが基本です。特に、矯正装置を外してから半年程度はとくに後戻りしやすい状態であるため、リテーナーは必ず20時間以上は使い続けることをおすすめします。装着期間を守らないと保定期間が延びるため、必ず歯科医師の指示に従いましょう。
費用は以下の2つの項目にわかれます。
<リテーナーにかかる費用>
歯科医院によっても異なりますが、割高な料金を支払ってしまわないように相場を知っておきましょう。
保定装置料は、リテーナーの製作そのものに必要な費用です。保定は歯列矯正において不可欠な治療のひとつなので、多くの歯科医院が保定装置料を歯列矯正の最初の装置代に含めています。そのため、リテーナーの製作や装着にかかる費用を追加で支払う必要はありません。
保定観察料は、リテーナーが確実に機能しているかどうか、歯並びがどのように変化しているかといった点を確認するため定期的に来院した際にかかる費用です。歯列矯正の最初の費用には含まれない場合が多く、1回の通院ごとに観察料の支払いが必要です。
保定観察料は歯科医院によって異なりますが、1回あたり3,000円前後を見ておけばよいでしょう。仮に3ヶ月に1度のペースで2年間リテーナーを使った場合、通院回数は合計8回で、1回の治療費が3,000円とすると合計費用は24,000円です。
リテーナーは常に口のなかに装着するものなので、定期的なメンテナンスが必要です。以下の2つの手入れ方法をくわしく見ておきましょう。
<リテーナーの手入れの方法>
メンテナンスを怠ると、リテーナーについた雑菌が口のなかで繁殖し、虫歯や歯周病の原因になる場合があります。トラブルを避けるためにも、お手入れは入念に行ってください。
マウスピース型に代表される自分で取り外しができるタイプのリテーナーは、歯みがきの際の洗浄をおすすめします。柔らかい歯ブラシを使い、ぬるま湯で水洗いしましょう。歯みがき粉には研磨剤が含まれており、リテーナーを傷つける可能性が高いため、洗浄時に使用してはいけません。
また専用の洗浄剤もあります。ぬるま湯に洗浄剤を入れて食事中などの間にリテーナーを浸漬します。洗浄剤を使用するとブラシだけでは落としきれない汚れやカンジタなどの真菌や細菌を除去できます。匂いなども気になるようなら使用をおすすめします。
取り外しができないタイプのリテーナーの場合は、歯みがきの際にリテーナーの周囲も一緒に磨きましょう。この場合も、研磨剤が配合されている市販の歯みがき粉の使用はおすすめできません。歯科医師にすすめられた洗浄方法で洗浄しましょう。
食事や歯みがきの際に取り外したら「リテーナーケース」という専門の入れ物に収納して保管しましょう。ケースに入れずにそのままポケットやバッグとかにいれていると破損の原因になります。レストランなどでリテーナーをケースに入れずにティッシュなどにくるんで、そのまま置き忘れてしまうと捨てられてしまうこともあるようです。外している際には必ずケースに保管するようにしましょう。
ケースはしばらく使っていると劣化し、リテーナーが飛び出す恐れがあります。とくに爪の部分は壊れやすいので、定期的に状態を確認しましょう。
保定のために使用する装置は主に2つのパターンにわかれます。
<リテーナーの種類>
それぞれの特徴を解説するので、順番にチェックしていきましょう。
「マウスピース」や「プレート」型は取り外しができるリテーナーです。マウスピース型は薄くて透明なため口を開いても装置が見えにくい点、プレート型は耐久性に秀でている点がメリットです。いずれも食事や歯みがきの際は取り外し、ぬるま湯で流しながら柔らかい歯ブラシで手入れしましょう。
マウスピース型のデメリットは破損しやすいこと、プレート型の欠点は口を開けた際に装置が見えてしまうため審美性に欠けることです。また、いずれも定期的にメンテナンスをしなければなりません。長時間、取り外していると保定効果が生まれず、歯が後戻りしてしまい再治療に時間がかかるため、ある程度の自己管理が必要になります。
取り外しができないリテーナーは「フィックスリテーナー」と呼ばれています。主に下顎に装着して保定を行うタイプです。歯の裏側に取りつけるため、口を開いても装置が露出しにくい点がメリットです。また自分で取り外しを行わないため、着けたり外したりなどの煩わしさはありません。
ただし、外れてしまった場合には自分で気づきにくく、外れたまま放置していると後戻りする原因になってしまいます。また、歯みがきがしにくいことはフィックスリテーナーのデメリットです。リテーナーと歯の間にゴミがたまり、虫歯や歯周病の原因になる可能性があります。そのため、歯医者さんで定期的なお掃除をした方が良いでしょう。上顎は下顎の前歯の噛みこみによりフィックスリテーナーが外れやすく、上顎の保定にはあまり適していません。
リテーナーに関するよくあるトラブルとして、以下の4点があります。
<リテーナーに関するよくあるトラブル>
対処法も紹介するので、細かくチェックしてみてくださいね。
リテーナーをつけ始めた直後に多いトラブルが痛みや違和感です。リテーナーの一部が歯肉に食い込み、痛みや違和感を引き起こすことがあります。我慢すると歯肉に傷がつくため、痛みを感じたらすぐ歯科医院に連絡しましょう。リテーナーの微調整で痛みを取り除けます。
また、歯が押されて痛みを覚えた場合は後戻りが発生している可能性があるため、この場合も歯科医院で微調整を受けましょう。
リテーナーが浮いてしまうほど歯にフィットしない場合は、後戻りが発生している可能性があります。できるだけ早く歯科医院で相談を行い、必要に応じて微調整を依頼しましょう
。
フィットしていないリテーナーを装着し続けても、リテーナーの効果は十分に発揮されなません。
誤って紛失した場合は、すぐに歯科医院に連絡してリテーナーを作り直しましょう。リテーナーをつけていない時間が長ければ長いほど、後戻りのリスクや後戻りの進行度合いは増してしまいます。
作り直しにかかる期間はタイプによって異なりますが、最短で2日程度で作り直しが可能です。紛失によるリテーナーの再製作費用は20,000円程度かかることが多いようです。
マウスピースタイプの場合、多少の傷や破れ、小さい穴があく程度ならばそのまま使い続けても問題ありません。しかし、大きな変形や損傷が見られたり、大きく歯にフィットしなくなったりした際は修理が必要です。プレートタイプの場合ろう着部の剥がれやプラスチックが破損するケースが多く、この場合も修理を依頼しましょう。
破損度合いが軽度な場合は2~3日程度で修理が完了しますが、作り直しが必要な場合は、再装着までに約1ヶ月程度の期間が必要です。作り直しのリテーナーが届くまでの間はマウスピースタイプのリテーナーを使って後戻りが生じないようにします。
リテーナー(保定装置)とは、歯の後戻りを予防する上で必要不可欠なアイテムです。リテーナーをつけずに放置していると、歯列矯正を始める前の状態へと歯並びが戻る可能性があります。これまでの治療を無駄にしないためにも、歯科医師から指示された期間は必ずリテーナーを装着しましょう。
目白歯科矯正歯科では、すべての患者様の治療を院長自らが行っています。治療開始から保定期間の終了まで一貫して歯の状態を確認できるため、スムーズかつトラブルなく歯列矯正を完了させることが可能です。将来にわたって確実な矯正の効果を実感したい患者様は、ぜひ当院をお選びください。
監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ)目白歯科矯正歯科/院長