噛み合わせが悪い場合は矯正するべき?不正咬合の種類やリスクを解説します

噛み合わせが悪い場合は矯正するべき?不正咬合の種類やリスクを解説します

噛み合わせが悪い場合は矯正するべき?不正咬合の種類やリスクを解説します

自分の歯は噛み合わせが悪い、と感じている方は少ないのではないでしょうか。歯並びが悪くて矯正を考えている方は多いかもしれませんが、自分が噛み合わせが悪いのかわからず、歯列矯正した方がいいのか分からない方が多いと思います。

当記事では、噛み合わせが悪い場合に矯正すべきかどうかについて解説していきます。また、後半には噛み合わせが悪いことで起こる症状についても解説します。

噛み合わせを歯列矯正で治すか迷っている方は、ぜひお読みください。

 

噛み合わせが悪い場合は矯正した方がいい?

噛み合わせが悪い場合は矯正した方がいい?

噛み合わせが悪い場合、矯正を行うことを強くおすすめします。歯は、人の第一印象を大きく左右するパーツです。噛み合わせが悪いと歯の審美性にも欠け、コミュニケーションに自信をなくすきっかけともなってしまいます。

「自分は見た目をそこまで気にしないから、噛み合わせが悪くても構わない」と思う方もいるかもしれません。しかし、実は噛み合わせが悪いと、見た目だけでなく健康面にも支障をきたしてしまう可能性があります。

正常ではない噛み合わせで食事を行うと、さまざまな病気や痛みといった症状につながるリスクが生じます。現在原因不明の頭痛や肩こりを抱えている場合、もしかしたら噛み合わせの悪さが原因となっているかもしれません。噛み合わせを整えることで、正しい食事の習慣が身につき、心身ともに健康に過ごしやすくなるでしょう。

 

「噛み合わせが悪い」とは?

「噛み合わせが悪い」とは

「噛み合わせが悪い」とは、歯並びの悪さなどが原因で上下の歯同士が正しく噛み合っていない状態のことです。また、むし歯などで歯が抜けてしまったり、歯周病などで歯が動いてしまい噛み合わせが悪くなってしまうこともあります。

噛み合わせが悪いと、本来噛み合うはずのない歯と歯が噛み合ってしまったり、特定の歯だけで食べ物を噛むようになったり、顎の位置がずれてしまい顔がゆがんでしまうことにもつながります。

噛み合わせが悪い状態のことを、専門用語で「不正咬合」と呼びます。

 

不正咬合の種類

不正咬合の種類

不正咬合にはさまざまな種類があり、歯の噛み合い方などによって異なる名称が付けられています。具体的には、以下のようなものがあります。

  1. 出っ歯(上顎前突)
  2. 受け口(下顎前突)
  3. 乱杭歯・八重歯(叢生)
  4. 過蓋咬合
  5. 開咬
  6. すきっ歯
  7. 交叉咬合

以下で詳細に解説していきます。

 

出っ歯(上顎前突)

1つ目の不正咬合は、出っ歯(上顎前突)です。

上顎の前歯全体、もしくは前歯の先端が突き出た状態になっている不正咬合です。「出っ歯」という言葉は一般的ですが、歯科においては「上顎前突」という正式名称で呼ばれています。

上顎前突は、上の顎が前に飛び出している、もしくは下の顎が後ろに引っ込んでいることによって起こります。上顎前突は、主に以下のようなことが原因で発症することがあります。

 

  1. 先天的に骨格に問題がある
  2. 口で呼吸している
  3. 舌で上の前歯を押す癖がある
  4. 幼少期に指しゃぶりの癖があった
  5. 舌を前歯で噛む癖がある

 

受け口(下顎前突)

続いて解説する不正咬合は、受け口(下顎前突)です。

下顎前突は、上顎前突とは逆に、上の歯よりも下の歯が前に飛び出している噛み合わせのことです。受け口・下顎前突のほかに「しゃくれ」と呼ばれることもあります。

下の前歯が前方に傾いている、または下顎全体が前に飛び出していることで下顎前突の状態になります。下顎前突の原因は、主に以下のとおりです。

  1. 遺伝的に下顎が大きい
  2. 下の前歯の永久歯が、上の前歯よりも前に生えた
  3. 上の顎の成長が劣っている
  4. 舌が短い
  5. 口で呼吸する習慣がある

 

乱杭歯・八重歯(叢生)

続いて解説する不正咬合は、乱杭歯・八重歯(叢生)です。

乱杭歯は、歯同士が重なりあったり、一部の歯が歯列から飛び出したりしている状態のことを指します。歯のサイズが過度に大きい、または顎のサイズが過度に小さいことで、歯が歯列に入りきらず、乱れてしまうことで生じます。

また、上顎の前から3番目の歯が前に飛び出ている「八重歯」も乱杭歯の一種です。

 

過蓋咬合

続いて解説する不正咬合は、過蓋咬合(かがいこうごう)です。

過蓋咬合とは、一言でいうと「噛み合わせが深い」という状態です。下の前歯に上の前歯が被さることで、下の前歯がほとんど見えなくなっている状態のことを指します。

過蓋咬合の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 上の顎が過度に成長した
  2. 下の顎があまり成長しなかった
  3. 乳臼歯を早くに失った
  4. 歯ぎしりの癖がある
  5. 歯を食いしばる癖がある

 

開咬

続いて解説する不正咬合は、開咬です。

開咬とは、奥歯のみが噛み合っており、前歯が噛み合わない状態のことです。開咬の状態にあると、発話の際空気が漏れてサ行やラ行がいいにくくなったり、前歯で食べ物を噛みきれなかったりするような症状が表れます。

以下のような癖があると、開咬になりやすくなります。

  1. 幼少期の指しゃぶり
  2. 舌を前方に押し出す癖がある
  3. 口で呼吸する

 

すきっ歯

続いて解説する不正咬合は、すきっ歯です。

すきっ歯は、歯と歯の間に大きな隙間ができてしまう状態のことです。専門用語では、歯間離開または空隙歯列とも呼びます。

すきっ歯の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 前歯の裏側を舌の先で押す癖がある
  2. 指しゃぶりの癖があった
  3. 顎や舌のサイズが大きい
  4. サイズの小さい歯がある
  5. 歯の数が少ない

 

交叉咬合

続いて解説する不正咬合は、交叉咬合です。

交叉咬合とは、歯の噛み合わせがところどころ反対になっている状態のことです。通常の噛み合わせであれば、下の歯よりも上の歯が外側に来ます。しかし交叉咬合の場合、歯並びの途中で噛み合わせが上下反対になってしまっています。

交叉咬合の原因は、骨格的な原因や頬杖、歯の萌出時にズレなどが考えられます。

 

噛み合わせの悪さによって起こる症状

噛み合わせの悪さによって起こる症状

噛み合わせの悪さを放置してしまうと、以下のような症状が起こるリスクが高まります。

  1. 顎関節症
  2. 頭痛・肩こり
  3. むし歯・歯周病
  4. 発育への悪影響
  5. 顔のゆがみ

それぞれ順に解説していきます。

 

顎関節症

噛み合わせの悪さが原因で起こりやすくなる症状の1つ目は、顎関節症です。顎関節症の症状は口があかなくなったり、顎の関節や咀嚼筋に痛みなどが生じることがあげられます。

顎関節症になると、口を開けたとき、耳の穴の前にある顎関節や顎周りの筋肉に痛みが生じることがあります。人によっては口を大きく開くのが困難になったり、口を開け閉めする過程で顎関節から音がしたりするといった症状が起こる方もいるでしょう。

噛み合わせが悪いと、正常に噛める噛みやすい部分だけで噛もうとする働きが生じます。すると一部の歯に過度な負担がかかってしまい、顎関節にも負荷が生じて顎関節症の発症リスクが高まります。また、顎を動かすときに上下の歯が正常に噛みあっていないと、歯での咬合誘導がされないため、顎関節への負担が高くなり、顎関節症状がでやすいとも言われています。

 

頭痛・肩こり

頭痛・肩こり

ほかに起こりやすくなる症状は、頭痛・肩こりです。噛み合わせが悪いと、顎周辺の筋肉が緊張して硬くなります。すると血の巡りが悪くなり、頭痛が起こってしまいます。

肩こりについても同様です。顎や肩、首の筋肉が緊張状態となることで血行が悪くなり、肩や首に痛みを引き起こしてしまいます。交叉咬合や過蓋咬合などで下顎の位置が本来の位置ではない場所で噛んでいる場合などは肩こりや頭痛の原因になりやすいと言われています。

むし歯・歯周病

さらに、むし歯・歯周病が挙げられます。噛み合わせの悪さを放置すると、歯槽膿漏などの歯周病やむし歯を引き起こすことにもつながります。噛み合わせが悪いことで、一部の歯だけに不自然な負荷がかかってダメージを与えてしまうからです。

たとえば前歯の上下が正しく噛み合っていない開咬などの場合、奥歯だけで食べ物を噛むことになるでしょう。すると奥歯に過度な負担がかかって、奥歯に小さなヒビが入ったり、歯が欠けたりしてしまうこともあります。ヒビやエナメル質の欠けた部分からむし歯菌などの細菌が侵入し、結果的にむし歯のリスクが上昇してしまいます。
また、過度な力が奥歯にかかっている場合、歯を支えている歯肉や骨が退縮してしまう可能性もあります。

 

発育への悪影響

発育への悪影響

続いて考えられる症状は、発育への悪影響です。子どもの頃からかみ合わせが悪いと、顎の発達に支障をきたします。すると顎が小さい状態となり、当記事で解説しているような症状が発育段階で出てきてしまいます。
また、交叉咬合などで顎が左右どちらかにずれて噛んでいる場合には、そのまま顎がずれて成長してしまい顔がゆがんでしまう可能性があります。

幼少期は、人間の一生のなかで土台となる期間です。幼い頃から土台がしっかりと整っていないと、発育に悪影響が出てしまい、将来さまざまなリスクにつながるでしょう。一生を健康的に過ごしていくためには、若いうちに土台を整え、正しく発達させていくことが不可欠です。

 

顔のゆがみ

顔のゆがみ

次いで起こりやすくなる症状は、顔のゆがみです。噛み合わせが悪い状態で食事すると、噛みやすい側でのみ噛む習慣が付きやすくなってしまいます。そうなると顎の周りの左右の筋肉のバランスが崩れてしまい、下顎が左右にゆがんでしまったり、頭の傾きが悪くなったりしてしまいます。

こうした顎のゆがみや頭の傾きが起きて顔のゆがみが生じてしまうと、全身の姿勢が悪くなってしまうこともあります。顔のゆがみや全身の姿勢が悪くなると肩こり、頭痛や腰痛の原因にもなりますので注意が必要です。

また、成長期に交叉咬合などで下顎の位置が左右にずれて噛む習慣が長く続いてしまうと、そのまま顎がずれて成長してしまう可能性がありますので、なるべく早い段階で本来の顎の位置に戻してあげる必要があります。

 

まとめ

噛み合わせの悪さは、日々の生活にさまざまな支障をきたします。不正咬合による噛み合わせの悪さによって生じるリスクは、審美性の低下だけではありません。噛み合わせの悪さを放置すると、頭痛を引き起こしたり、むし歯、歯周病の原因になったりと、さまざまな症状につながる可能性があります。

歯列矯正で歯並びを整える噛み合わせを正すことで、心も体も健康な充実した生活を送りやすくなるでしょう。

目白歯科矯正歯科は、日本矯正歯科学会の認定医が在籍する歯科です。矯正歯科を専門で学んだ院長が経営しており、矯正に特化した歯科のため、安心して治療が受けられます。噛み合わせを整え、美しい歯でおいしく食事を楽しみたい方は、ぜひ一度ご来院ください。

 

監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ) 目白歯科矯正歯科/院長

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