2024/10/30
親知らずが生えていると歯並びが悪くなる?抜歯の必要性についても解説!
2023/02/21
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歯科矯正後に発生するトラブルの1つに「後戻り」があります。これは歯科矯正を始める前の位置に歯が戻ってしまう現象ですが、そもそもなぜ後戻りが発生するのでしょうか。この記事では、後戻りの原因や対象法をくわしく解説し、後戻り防止のために必須となる「リテーナー」の装着方法も紹介します。
歯科矯正における「後戻り」とは、せっかく理想的な場所まで移動した歯が、歯科矯正を始める前の位置に戻ってしまう現象です。後戻りは歯科矯正において頻発するトラブルであり、特別に珍しい現象ではありません。
矯正装置を取り外した直後はまだ歯や骨が不安定な状態なので、リテーナー(保定装置)を装着して固定する必要があります。後戻りはリテーナーの使用を怠った場合や、リテーナーの使い方を誤って使用し続けた場合に生じやすいため、歯が動き終わった後も医師の話によく耳を傾けて、指示は必ず守りましょう。
後戻りが起こる原因は先述したリテーナー関連以外にもあり、主に以下の5つです。
<後戻りの5つの原因>
項目ごとに後戻りが起こる理由をご紹介します。
リテーナーとは、歯科矯正後の歯を固定する保定装置のことです。歯科矯正において後戻りは当たり前に起こるトラブルであり、リテーナーは後戻りを見越した予防の一環として装着します。リテーナーを使わなければ後戻りは必ず起きてしまいます。装着する期間には個人差がありますが、おおむね2~3年程度と考えるとよいでしょう。
リテーナーにはいくつかの種類がありますが、マウスピースのように自分で付け外しできるタイプのリテーナーを使う場合は、自己管理が必要です。医師から指示された装着時間よりも短い時間しか装着していなかったり、面倒でリテーナーを使わずに放置していたりすると、後戻りは簡単に起きてしまいます。
自分で付け外しするタイプのリテーナーを使う際によく見られるのが、装着方法の間違いが原因で発生する後戻りです。リテーナーを口内に入れていても、きちんと固定できていなければ意味がありません。正しい装着方法は後ほど解説するので、現在リテーナーを利用している方も改めて確認してみましょう。
親知らずは横や斜めなど複雑に入り組んだ生え方をしている場合があります。親知らずが歯の前方に向かって傾いている場合、親知らずが移動させた歯を圧迫して押し戻すケースは珍しくありません。状況に応じて抜歯も視野に含み、対応を検討するとよいでしょう。
歯並びを乱す悪癖が残ったままだと、せっかくの歯科矯正が台無しになることがあります。たとえば「口呼吸」が習慣付いて口を開く癖が付いていると、せっかく矯正した歯並びが再び乱れてしまう原因になります。また「舌癖」にも注意が必要で、舌で前歯を押し出す癖があると、出っ歯を再発させる恐れがあります。
歯は「歯槽骨」によって支えられていますが、歯周病にかかると歯槽骨が弱り、歯がグラグラと揺れたり、動いたりしやすい状態に陥ってしまいます。歯科矯正の直後はただでさえ歯が動きやすい状態なので、歯周病により歯槽骨がダメージを受けていると、健康な人と比べてより後戻りしやすくなります。
後戻りはさまざまな原因で起こりますが、以下の対処法により防ぐことが可能です。
<後戻りを防ぐための4つの対処法>
いずれも重要なポイントなので、1つずつ細かく確認しておきましょう。
リテーナーは「期間」と「方法」を正しく守って装着する必要があります。必要な保定期間は目安として2~3年で、医師の診断なく自己判断でリテーナーの使用を止めてはいけません。リテーナーの正しい装着方法については、このあとの【リテーナーの装着方法】でくわしく解説します。
先述したとおり、口呼吸・舌癖がある場合は、後戻りによって歯並びを再び乱してしまいます。これは癖なので意識的な改善が大切ですが、それだけで解決できない場合はMFT(口腔筋機能療法)による訓練で解決を目指しましょう。
MFTでは、筋肉のトレーニングのほかに咀嚼や呼吸、発音のトレーニング、唇や舌を正しい位置に置くトレーニングなどを行います。自己流で訓練をすると誤った癖が付くリスクがあるため、MFTは必ず歯科衛生士や歯科医師の指導のもとで実施してください。
歯周病も歯列を乱す原因になるとお伝えしました。この問題を避けるためには、歯磨きによって口腔環境を衛生的に保つ以外に方法がありません。食後の歯磨きを徹底して、歯周病にならないように気をつけましょう。
また、リテーナー自体のメンテナンスも定期的に行うことが大切です。リテーナーに食べ物のごみや雑菌が付いていると、その部分が歯と歯茎に密着して虫歯や歯周病の原因になります。リテーナーを取り外した際は、ぬるま湯や専用の洗浄液を使ってリテーナーをやさしく洗いましょう。
定期的に検診を受けることで、後戻りが起きていないかどうかの経過観察ができます。もし後戻りが起きていたとしても、早い段階で見つかれば軽度な治療で修正できる可能性が高いため、数ヶ月に1度のペースで通院して検診を受けましょう。
リテーナーは使用していると、緩んでくることもありますので定期健診の時に調整をする必要があります。
また、検診を受けることで、虫歯や歯周病を初期段階で発見できることもメリットです。虫歯・歯周病、そして後戻りは自覚症状がないうちに進んでしまいます。楽観せずに経過観察を行い、異常を見落とさないようにすることが歯科矯正を成功させるための大切なポイントです。
後戻りを防ぐために何よりも大事なのは正しいリテーナーの装着です。この項目では、リテーナーに関する以下の基本的な情報をわかりやすくまとめました。
<リテーナーの基本情報・扱い方>
リテーナーとは数年単位の長い付き合いになりますから、どのように扱うのが正しいのかくわしく把握しておきましょう。
リテーナーの種類は大きく分けて6つです。それぞれの特徴を簡潔に解説しましょう。
■ベッグタイプ
ポピュラーなタイプで、すべての歯を取り囲んでワイヤーによって固定します。抜歯をともなう治療のあとに使われやすいことが特徴的です。
■ホーレータイプ
歯を抜かずに治療を行った場合に使うことが多いリテーナーです。固定するタイプのリテーナーです。こちらもワイヤーで固定するため、基本的な原理はベッグタイプと変わりません。
■マウスピースタイプ
透明なマウスピースを装着するタイプです。審美性に長けていますが、耐久性にはやや難があり歯ぎしりなどの圧力で破れることもあります。
歯茎の部分はあまり覆わないので装着の違和感は少なく、また歯の全体を覆うため後戻りはしにくいと言われています。
■スプリングリテーナー
前歯の微調整用に使われることが多いタイプです。下の歯だけに使うことが特徴です。前歯をわずかに移動させる時に使うこともあります。
■QCMリテーナー
ワイヤーを使って全歯を固定するリテーナーです。特徴的なのは前歯の部分が透明な素材で作られていることで、ワイヤー式とマウスピース式のハイブリッド的な存在といえます。前歯部は透明な素材のため、他のワイヤータイプのリテーナーと比べて審美性に優れています。
■フィックスリテーナー
前歯の裏側にワイヤーを接着剤で固定するタイプのリテーナーです。
固定するリテーナーであるため、24時間歯を保定できます。しかし、外れた時に気づかずに放っておくと、いつの間にか後戻りが生じていることもありますので注意が必要です。
また歯磨きも難しくなるため、定期的に病院でのクリーニングをおすすめいたします。取り外しできるリテーナーが使えない場合には、フィックスリテーナーが良いでしょう。
リテーナーは、1日あたり20時間以上を目安に装着しましょう。装着時間が短いと後戻りを起こすリスクが上がります。外したまま眠ったり、外出したりしないように注意してください。
個人差がありますが、リテーナーを使う期間は2~3年になることが一般的です。その間は、約3~4ヶ月に1度のペースで通院して、経過観察を受けましょう。
リテーナーの正しい着け外しの方法を手順ごとにまとめました。
<リテーナーの付け外しの手順>
歯で噛んではめ込んだり、乱暴に押し込んだりするのはNGです。付け外しの際は必ず両手を使い、リテーナーが破損しないようにやさしく扱いましょう。
もし後戻りしてしまったら、まずは治療をした医師に相談しましょう。進行度合いを確認し、再矯正が必要か、軽微な修正だけで調整できるかを判断します。
後戻りは歯科矯正においてよくあるトラブルです。後戻りを防ぐためには、リテーナー(保定装置)を正しく使いましょう。リテーナーを正しく使用しないと、必ず後戻りしてしまいます。また、悪習癖や歯周病も後戻りの原因になるため、保定期間中は定期的に経過観察を受け、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)の併用や親知らずの抜歯もおすすめします。
目白歯科矯正歯科では、歯科矯正の計画から経過観察までのすべてを院長が一貫して実施します。マウスピース型歯科矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)による矯正治療ではダイヤモンドプロバイダーを5年連続で獲得するなど症例数も多く、万一の後戻りにも柔軟な対応が可能です。将来的な後戻りが不安な方は、ぜひ当院の治療をお選びください。
監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ)目白歯科矯正歯科/院長