矯正治療の再治療の基礎知識とメリット・デメリットは?治療するクリニックも紹介

矯正治療の再治療の基礎知識とメリット・デメリットは?治療するクリニックも紹介

矯正治療の再治療の基礎知識とメリット・デメリットは?治療するクリニックも紹介

Contents

歯並びや噛み合わせの改善を目的とした矯正治療は、見た目の美しさだけでなく、健康面でも大きなメリットをもたらします。

しかし、治療後に「後戻り」が起きてしまい、再治療が必要になるケースも存在します。

これから矯正治療を考えている方にとって、治療後のリスクを理解することは欠かせません。

今回は、そんな矯正治療の基礎知識やその効果を解説するとともに、後戻りや再治療のリスクを回避するためのポイントについて触れていきます。

さらに矯正治療を成功させるためには、矯正治療中の適切な管理だけでなく、治療後のケアも重要です。

この記事を通じて、適切な矯正治療とその後のケアについて理解を深め、健康で美しい歯並びを手に入れるための参考にしてください。

矯正治療後の後戻りと再治療に関する基礎知識

矯正治療後の「後戻り」とは、治療終了後に歯が元の位置に戻ろうとする現象を指します。

これは、矯正治療が完了しても、歯を支える骨や歯茎が新しい位置に完全に順応するまで時間がかかるためです。

後戻りを防ぐためには、治療後の保定期間や適切なケアが欠かせません。

 

矯正後の後戻りとは?歯が元の位置に戻る原因を解説

後戻りは、矯正治療後の歯が元の位置に戻ることで噛み合わせが悪化したり、見た目の美しさが損なわれたりする現象です。

後戻りの原因としては、以下の4つが主な原因として考えられます。

 

① 保定装置が使えない

保定装置を使わないことが後戻りが起きる最も大きな原因です。

保定装置とは矯正治療後に歯が元の位置に戻るのを防ぐための装置です。

保定装置を正しく使えなかったり、装着時間が足りなかったりすると、歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こりやすくなります。

保定装置の使用が制限されている場合や使えない事情がある場合には、後戻りリスクが高まるため、特別な注意が必要です。

 

② 歯周組織が安定していない

歯の矯正治療では、歯を支える歯根膜や歯槽骨が大きく影響を受けます。

歯を動かす過程でこれらの組織が変化し、再生・再構築されますが、治療終了直後はまだその過程の途中にあります。

この時期に外からのサポートがなければ、歯は自然に元の位置へ戻ろうとする力が働きます。

歯周組織が安定するまでの期間には個人差がありますが、保定装置をしっかりと使用することが安定への近道です。

 

③ 悪い口腔習癖

舌で前歯を押す舌癖、口呼吸、唇や頬を噛む癖、爪を噛む癖、頬杖、歯ぎしりなどの口腔習癖が残っていると、歯並びに継続的な力が加わってしまいます。

これにより、せっかく整えた歯列が後戻りしてしまう可能性があります。

矯正治療と並行して、口腔習癖を改善する「MFT(口腔筋機能療法)」などの訓練を行うことが望まれます。

習癖の改善は、長期的に美しい歯並びを保つために欠かせないステップです。

 

④歯周病

歯周病になると、歯ぐきや歯を支えている骨が退縮して歯をしっかりと支えられなくなり、歯列に影響が出やすくなってしまいます。

矯正治療中に歯磨きが不十分なため、歯周病になってしまい歯茎が弱ってしまった場合には後戻りのリスクは高くなってしまいます。

 

後戻りを防ぐための具体的な対策

上の4つの点について、それぞれ後戻りを防ぐための対策を解説していきます。

 

①後戻りを防ぐための一番の予防策はリテーナーをしっかり使うことです。担当医の指示に従い保定装置を使うようにしましょう。保定期間や装着時間は、歯並びや咬み合わせ、歯茎の状態によっても異なりますので自己判断で装着時間を短縮したり中止したりせず、担当医の指示通りの装着時間と期間を守りましょう。

 

②先ほど解説したように、歯周組織が安定するためには時間が必要です。歯を触ってみて少しグラつくとか、時間が空いてからリテーナーを装着するときつく感じる場合は、まだ歯周組織が安定していない状態です。歯周組織が安定するまで保定装置をしっかり使うようにします。

 

③頬杖・爪噛み・歯ぎしり・噛みしめなどを続けていると、歯列が乱れやすくなります。良い歯並びを保ち続けるためにも、悪い習慣は改善するように心がけましょう。

寝ている間の噛みしめや歯ぎしりなど、無意識に行ってしまう行動はご自身で改善するのが難しいこともあります。例えば、舌癖が原因で後戻りを起こしている場合は、口腔筋機能療法を行うことで、舌の癖を改善し、後戻りを防ぐ効果が期待できます。

 

④歯周病になってしまった場合には、後戻りが起きやすいためリテーナーの使用はより重要になります。歯周病になる前に毎日のお手入れをしっかり行うようにしましょう。歯周病による歯のグラつきが大きい場合には、後程紹介する固定式のリテーナーにしても良いかもしれません。

 

再治療が必要になる症例の特徴とその判断基準

わずかな後戻りであれば、リテーナーをしっかりはめることで治る可能性もあります。ただし変形したリテーナーを使用しても意味がないので、担当医に相談をしてみてください。

 

軽度な後戻りであれば 部分矯正で対応できることもあります。

再治療の場合は 歯の根っこは並んでいて、歯の頭だけがずれていることが多いので、部分矯正で対応できることが多くなります。ただし軽度な後戻りに限りますので、早めに後戻りに気づくことが大切です。そのためにも定期検診は必ず受けるようにしましょう。

 

ただし定期健診に行かなかったり、リテーナーの使用が十分でなく後戻りが大きくなってしまった場合や、最初の矯正治療で不十分な治療が行われていた場合(治療目標の設定が悪かった。技術的にレベルが低かった。しっかりと仕上がる前に矯正装置を外してしまった。)などでは、全顎的な再治療が必要になってしまいます。

また、成長により噛み合わせや顎の大きさに変化があった場合も全顎的な再治療が必要になります。

 

矯正後の保定装置(リテーナー)が重要な理由

リテーナーは、矯正治療後の歯を新しい位置に固定するための装置です。

治療後にリテーナーを使用しない場合、歯が後戻りしてしまうリスクが高まります。

そのため、リテーナーの正しい使用と適切な装着期間が非常に重要となるのです。

リテーナーの役割と種類について詳しく解説!

リテーナーには、固定式と取り外し可能な種類があります。

 

① 固定式リテーナー(ワイヤー型)

 固定式リテーナーは、歯の裏側にワイヤーを接着して装着する保定装置です。 最大のメリットは、自分で取り外すことができないため、装着忘れによる後戻りのリスクを大きく軽減できる点です。 また、裏側に固定するため見た目にも目立たず、審美性を気にする方にも適しています。 

ただし、装着部分に汚れがたまりやすく、歯磨きが難しくなる傾向があるため、虫歯や歯石のリスクが上がる点には注意が必要です。 また、接着部分が外れてしまったり、歯の動きに影響を及ぼすこともあるため、定期的なチェックとメンテナンスが求められます。

 

② マウスピース型リテーナー

 マウスピース型リテーナーは、透明なプラスチック素材で作られた取り外し可能な装置です。 見た目に非常に自然で、会話中でも目立ちにくく、仕事中や学校でも安心して装着できます。 取り外して食事や歯磨きができるため、口腔内を清潔に保ちやすいというメリットもあります。 

しかし、取り外しができる分、装着時間を守らなければ保定効果が不十分になり、歯が後戻りしてしまうリスクがあります。 また、就寝中の歯ぎしりや食いしばりによって素材が破損しやすいというデメリットもあるため、使用状況に応じた適切な管理が必要です。

 

③ プレートタイプリテーナー

 プレートタイプリテーナーは、プラスチックのプレートとワイヤーで構成された保定装置で、古くから使用されている一般的なタイプです。 しっかりと歯列全体を保定できる構造で、耐久性が高く、噛み合わせへの影響も比較的少ないという特徴があります。 食事や歯磨きの際には簡単に取り外せるため、衛生面でも優れています。 

一方で、ワイヤーが表に見えるため、見た目が気になるという人には不向きな場合があります。 また、装着時間が不十分であれば保定力が弱まり、歯列が不安定になる可能性もあります。 使用者の自己管理が結果に大きく影響するタイプの装置といえるでしょう。

 

リテーナーの正しい使用方法と装着期間の目安を知ろう

リテーナーの装着期間は、治療終了後2年以上使うことが一般的です。

ただし、歯の安定度には個人差があるため、歯科医の指示に従うことが必要です。

取り外し可能なリテーナーの場合は、最初の1年間1日20時間以上装着するようにします1年経って歯の動揺度が少なくなっていたら、毎日夜寝るときに使用していきます。

更に、数ヶ月後歯のぐらつきがおさまっていたら1日おき、1週間に2回、1回と段階的に使う時間を少なくしていきます。

絶対に自分の判断でリテーナーの使用を中断するのはやめましょう。

 

保定装置選びで失敗しないためのポイントとチェックリスト

リテーナーを選ぶ際は、歯科医との相談が重要です。歯列の状態やライフスタイルに合った装置を選ぶことで、より後戻りのリスクを減らすことができます。

例えば、もともと空隙歯列(すきっ歯)の場合は着脱式のリテーナーを使っていても、後戻りしやすいので固定式のリテーナーの方が良い場合もあります。

また仕事の関係上、味見をする機会が多くリテーナーを頻繁に外さないといけない場合や、外食する機会が多い方の場合は、固定式のリテーナーを検討するなど、自分のライフスタイルに合った保定装置を選択をすることがポイントです。

 

後戻りを防ぐための矯正治療中に気を付けるべきこと

矯正治療中から後戻りを防ぐための対策を行うことが重要です。

日常生活での装置の扱いや、歯科医の指示に従った治療計画が鍵となります。

治療前に知っておきたい後戻りのリスクとその対策法

矯正治療を始める前に、後戻りのリスクについて理解しておくことが大切です。

治療後の保定装置の使用が必須であることを認識し、装着時間やケア方法について事前に学びましょう。

また適切な治療法を選ぶことも重要です

無理な治療計画や適切でない装置で治療を行ってしまったり、しっかり治っていないのに治療を途中で終わりにしてしまった場合などでは、後戻りするリスクが更に大きくなってしまいます。

治療計画段階で担当医と十分に相談し、後戻りのリスクを十分に把握してから治療を始めるようにしましょう。

日常生活での矯正装置の扱い方と気を付けるべき行動

まず、矯正装置を装着している間は、硬い食べ物や粘着性のある食品を避けることが推奨されます。

装置が破損した場合は速やかに歯科医に相談し、適切な処置を行うことが必要です。

さらに、歯磨きの際には専用のブラシを使用し、装置周辺の清掃を徹底しましょう。

定期診療の重要性と意外と見落とされがちな問題点

定期診療は、矯正治療中の経過を確認し、必要に応じて装置の調整を行うために欠かせません。

歯列や噛み合わせの異常が早期に発見されれば、治療計画の見直しやトラブルの防止につながります。

患者自身が気づきにくい問題点を歯科医が発見できるため、必ず定期診療を受けるようにしましょう。

 

矯正後の生活習慣で患者さんが気を付けるべきこと

矯正治療後は、正しい生活習慣を維持することが再治療や後戻りを防ぎ、治療効果を長持ちさせるために重要です。

特に歯のケアや食生活に配慮することが必要です。

歯磨きの徹底と歯周病予防が矯正後の健康を守るカギ

矯正治療後は、歯磨きを徹底することで歯周病や虫歯を予防する必要があります。

特に、歯並びが整った後でもデンタルフロスや歯間ブラシを活用して歯と歯の隙間をしっかり清掃することが重要です。

歯科医から指導を受けた正しいブラッシング方法を実践することで、長期間にわたり健康な歯を維持できます。

 

矯正装置や歯並びに影響を与える食事や癖に注意しよう

矯正治療後は基本的には何を食べても大丈夫です。

ただしリテーナーが装着されている状態で硬い食べ物や粘着性のある食品はリテーナーの破損や変形につながるので注意してください

舌で歯を押す癖や爪を噛む癖なども後戻りの原因となるため、意識して改善しましょう。

日々のケアが後戻りや再治療を防ぐために最も重要なポイント

矯正治療後の日々のケアが、後戻りを防ぐ最大の鍵です。

定期的な歯科検診を受け、異常が見つかった場合には早めに対応することが重要です。

また、保定装置を正しく使用し、歯を安定させることが後戻り予防につながります。

健康的な食生活を心がけることで、歯や骨の健康をサポートできます。

再治療の際に適切な矯正クリニックを選ぶためのポイント

再治療を検討する際には、クリニック選びが治療の成功に直結します。

信頼できる歯科医を見極め、最適な治療を受けるための判断基準を知ることが大切です。

信頼できる歯科医の見極め方とチェックすべき重要な項目

信頼できる歯科医を選ぶ際は、まず日本矯正歯科学会の認定医や専門医であるかを確認しましょう。

これらの資格を持つ医師は、専門的な知識と経験が豊富です。

また、治療前のカウンセリングが丁寧で、治療計画を具体的に説明してくれる歯科医を選ぶことが重要です。

さらに、最新の設備や技術を導入しているかも確認するポイントです。CTなどの検査をおこなうことで、後戻りしにくい歯並びやかみ合わせにすることができます。

同じ歯医者で再治療を受けるべきか、新たな歯医者を選ぶべきか?

再治療を行う場合、以前の歯科医で治療を続けるか、新たなクリニックを探すかを判断する必要があります。

同じ歯科医で治療を受けるメリットは、治療履歴を十分に把握している点です。

しかしその一方で、後戻りが再発している場合は、専門医のセカンドオピニオンを受け、新たなアプローチを検討することも検討しても良いでしょう。

 

専門性が高い矯正歯科を選ぶための具体的な基準

専門性が高い矯正歯科を選ぶには、矯正治療に特化したクリニックを探すことが重要です。

過去の症例や患者の口コミを参考にすることで、そのクリニックが提供する治療の質を把握できます。

また、症例写真や治療例を公開している医院は、治療実績に自信がある証拠とも言えます。

さらに、再治療の経験が豊富なクリニックであれば、最適な治療を受けられる可能性が高まります。

まとめ 池袋で矯正治療をするのなら「目白歯科矯正歯科」

矯正治療後の後戻りや再治療を防ぐためには、治療中から治療後のケアまで一貫して取り組むことが重要です。

池袋エリアで治療を受ける際は、信頼できるクリニックを選び、丁寧な治療計画を立てることが成功への鍵となります。

「目白歯科矯正歯科」は、豊富な経験と高い技術を持つ専門医が在籍しており、安心して治療を進めることができます。

再治療を検討中の方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

 

監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ) 目白歯科矯正歯科/院長

 

矯正歯科業界の現状と課題

近年、インビザライン(アライナー型矯正装置、薬機法対象外)を「副業的」に取り扱う一般歯科医が増加している傾向があります。

また、矯正治療を専門としているように見える医院の中にも、実際には「チェーン店」的な運営体制で、雇われ院長が治療を行っているケースも散見されます。

特に、インビザライン(アライナー型矯正装置、薬機法対象外)を提供する医師の中には、専門的な知識や経験が乏しいまま取り扱っているケースも少なくありません。

一部の医院では、商業目的でインビザライン(アライナー型矯正装置、薬機法対象外)を導入している例もあり、患者が適切な治療を受けられないリスクが存在します。

そのため、矯正治療を受ける際は、医院や医師の専門性、実績をしっかりと見極めることが重要です。

 

目白歯科矯正歯科が選ばれる理由

目白歯科矯正歯科院長は「日本矯正歯科学会の認定医」としての資格を持ち、高い技術力が保証されています。

一般歯科から矯正に転向したわけではなく、矯正歯科の専門医としてキャリアを積み上げてきたため、治療計画はすべて院長自身が責任を持って作成しています。

また、アライナー矯正治療に限らず、裏側矯正や表側矯正といった幅広い治療方法に対応しており、患者一人ひとりの症例や要望に合わせた治療が可能です。

目白歯科矯正歯科は、豊富な経験と専門性を活かし、安心・安全な矯正治療を提供する信頼の医院として非常におすすめです。

歯科コラム