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矯正治療を検討しているけれど、「痛みがあると聞いた」「痛みに耐えられるか不安」と、痛みに関して不安な気持ちを持っている方は少なくありません。
矯正治療は一度始めると、装置を付けた生活が続くわけですから、不安に思うのも無理はありません。
そこで今回は、矯正治療中に感じる痛みの種類・対処法について解説します。矯正治療中の痛みでお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
最近のワイヤー矯正装置では、柔らかいNiTIワイヤーや摩擦の少ないローフリクションブラケットといった装置などを使用することにより、以前に比べるとワイヤー矯正治療中の痛みは少ないと言われています。またマウスピース矯正では弱い力で少しづつ歯を移動させるためワイヤー矯正より痛みは出にくいと言われています。
それでも、痛みの感じ方には個人差がありますがまったく痛みを感じずに矯正治療が完了することは少ないといえるでしょう。硬い顎の骨のなかで歯を動かしていくため、多少の痛みを感じることがあります。
しかし、痛みの種類によっては対処後すぐに軽減されるものもあります。臨機応変に適切な対応をすることで、快適に矯正治療を続けられるでしょう。痛みがネックとなり矯正治療を踏みとどまるのは、少しもったいないかもしれません。
矯正治療中に感じる痛みは、いくつかの種類に分けられます。痛みの種類によっては避けられないものもありますが、矯正治療が完了するまで耐えられないほどの痛みが続くわけではありません。
矯正中の痛みは、大きく5つに分けられます。
ここでは、それぞれ痛みの種類について解説します。
矯正装置の種類にかかわらず、歯に力がかかっている期間は痛みを感じることがあります。とくに、初めて矯正装置を付けた日から2~3日は痛みを感じやすいでしょう。これは歯が移動する際にプロスタグランジンやブラジジキニンといった化学物質の作用により炎症が起こり痛みが生じると言われています。
また、矯正装置を調整した日や、新しいマウスピースへ交換した日も痛みを感じやすいです。1日~2日が痛みのピークで、1週間ほど痛みや違和感を覚える場合もあるかもしれませんが時間の経過とともに緩和されます。
矯正装置の種類によって、痛みを感じる原因が少し異なります。表側のワイヤー矯正では、ワイヤーやブラケットが頬粘膜や唇に擦れることで、粘膜に傷ができてしまう場合があります。中には口内炎になってしまい強い痛みが生じることもあります。
また、裏側矯正では食事や喋ったりする際に装置が舌に当たって痛みを感じたり、口内炎ができたりすることもあるでしょう。マウスピース矯正では、歯の表面につけたアタッチメントや顎間ゴムが歯茎や粘膜に当たることで痛みを覚えることがあります。
歯を動かしている期間は、歯を移動させるための圧がかかっており歯は非常に敏感な状態です。上下の歯がぶつかったり、食事の際に上下の歯が触れることでも痛むことがあります。ワイヤー調整後やマウスピース交換後に痛みがある場合は、硬い歯ごたえのあるものは避けるようにしましょう。
また、繊維性の多い野菜を食べるときに痛みが生じ、噛み切れなくなることもあります。歯に痛みがあるうちは、よく噛まなくても食べられる柔らかいものを中心に選んでみましょう。
お口の中で装置を長時間付けることで汚れが溜まりやすくなり、歯肉炎・歯周炎になることがあります。装置と歯の間に汚れが蓄積されてプラーク(歯垢)となり、細菌が増殖して歯茎に炎症を起こしてしまうのです。 また、もともと炎症を起こしていた歯茎が矯正治療中に悪化し、痛みを感じるケースもあるでしょう。
矯正治療中に歯肉炎・歯周炎にかからないようにするためには、お口の中に汚れを残さないよう気を付けることが大切です。ワイヤー矯正であれば装置と歯の隙間を丁寧に磨き、マウスピース矯正であれば装着前の歯磨きを徹底するとよいでしょう。
少しずつ歯を動かして歯並びを整える矯正治療では、歯を移動している途中に歯の周りの歯茎のしまりが一時的にゆるくなって歯根が露出してきたり、またデコボコで重なっていた歯が並んできて今まで隠れていた部分が露出することによって一時的な知覚過敏を引き起こすことがあります。
歯の根っこはお口の中に晒されている部分と異なり、外部からの刺激を守る強い歯質、エナメル質で覆われていません。 神経にも近いため少しの刺激にも反応し、歯に痛みを感じてしまうのです。
矯正治療中であれば一時的なものが多いためそのまま様子を見ることもありますが、症状が強い知覚過敏の場合にはシミ止めの薬を塗ることもできますが。耐えられないような痛みが続くようであれば、歯科医院で適切な処置を受けるとよいでしょう。
矯正治療中の起こる痛みへの対応方法について解説していきます。耐えられないような痛みの場合には担当医に指示を仰ぐようにしなければなりませんが、自分でできる対応方法もあります。
では、矯正中に激しい痛みが出た場合の対処法について、それぞれ詳しく解説します。
マウスピース矯正中に痛みが出た場合は、一時的に装置を取り外して休み休み使ってみてもいいでしょう。マウスピースを新しいものに交換した当日は痛みが出やすいため、いったん装置を外すことで痛みが治まることがあります。しかし使用時間が短くなった場合には交換日数を延ばす必要があります。ワイヤー矯正の場合は自分で取り外せないため、痛みが強い場合は歯科医院へ相談しましょう。
自分で無理にワイヤーを動かすようなことは避けましょう。口内が傷ついてしまったり、装置が脱離したりする恐れがあります。
夜も眠れないような耐えがたい痛みが続く場合は、痛み止めの服用が有効です。しかし、服用する薬の成分によっては、歯の動きを鈍らせてしまうことがあります。頻繁に服用していると、治療計画が乱れてしまうこともあるでしょう。自己判断で服用するのは最終手段とし、できれば医師と相談した上で服用するようにしましょう。
矯正治療中は、お口の中に長時間装置がついていることで、虫歯や歯周病などトラブルのリスクが高くなってしまいます。そのため、これまでよりも丁寧にセルフケアを行うことが大切です。通常の歯ブラシの他にも、歯間ブラシやタフトブラシをうまく活用して、装置と歯の間に汚れを残さないようにしましょう。
マウスピース矯正の場合は、甘いジュースやコーヒーを口に含んだあとも丁寧に歯みがきをしてからマウスピースを装着するよう徹底します。
矯正中の痛みが出ている期間は、できるだけ硬い食べ物を避けましょう。痛みが治まるまでは、おかゆや柔らかいパン、うどん、ヨーグルト、豆腐、バナナなどがおすすめです。
ただし、食べるものが偏ってしまうと、栄養バランスが崩れる恐れがあります。歯の動きが弱まったり、免疫力が下がったりする恐れがあるため、食事メニューには注意するようにしましょう。よく火を通す、茹でる、蒸すなど調理方法を工夫することで、メニューの幅が広がります。
ワイヤー矯正の場合は、ブラケットやワイヤーの先が当たって痛みが出ることがあります。その場合は、矯正用ワックスで痛みの原因となっている部分を保護するとよいでしょう。
ワックスは適量を丸めてそっと押し付けるようにして使用します。奥歯など慣れるまでは難しいかもしれませんが、応急処置として有効です。飲食で外れてしまうことがあるため、持ち歩いておくと安心でしょう。
不安を覚えるほどの強い痛みを感じる場合は、歯科医師に相談しましょう。ワイヤーやマウスピースを調整してもらえることがあります。自己判断で対処していると矯正治療計画の乱れにつながることもあるため、小さなことでも気軽に相談できるような歯科医院を選ぶことも大切です。
ここでは、矯正治療中の痛みによくある質問をまとめました。不安な気持ちを抱えている方や、痛みに敏感な方は、ぜひ参考にしてください。
一般的に、マウスピース矯正のほうが弱い力で少しづつ歯を移動させるため痛みは少ないといわれています。またマウスピース矯正では歯を移動させるゴールに向かって最短経路で移動させることができ、マウスピース1枚当たりの移動量も決められているため、必要以上の力がかからず、ワイヤー矯正よりも少ない痛みで治療を進められるのです。
ワイヤー調整後やマウスピース交換後は、個人差はありますがおおよそ2~3日程度痛みが続きます。その後は徐々に痛みが軽減し、食べられるものの範囲も広がるでしょう。
ただし、粘膜や歯茎が傷ついて痛みが出ている場合は、薬の塗布や保護などを行い傷口が治るまでは痛みが続くかもしれません。
痛みが出ている期間は、柔らかいものを中心に食べるようにしましょう。痛みが落ち着いたら、普段の食事に戻しても問題ありません。
ただし、硬いものなどを食べると痛みが再発する恐れがあるため、様子を見ながら食事するようにしましょう。
矯正治療は、個人差はあるものの多少の痛みを感じることがあります。不安な気持ちを持ってしまうかもしれませんが、適切な対応をすれば痛みを和らげることが可能です。歯科医師の指示をよく守りながら、無理のない方法で矯正治療を進めていきましょう。
目白歯科矯正歯科では、矯正治療の計画から経過観察まで、すべてを矯正歯科専門で経験を積んだ院長が担当しています。痛みの少ないマウスピース矯正、表側矯正や裏側矯正でも痛みの少ないタイプの矯正装置を使用しています。矯正治療に関するお悩みをお持ちの方、矯正治療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ) 目白歯科矯正歯科/院長