小児矯正の費用相場〜2025年最新・段階別料金ガイド

小児矯正の費用相場〜2025年最新・段階別料金ガイド

小児矯正の費用相場〜2025年最新・段階別料金ガイド

お子さまの歯並びが気になりはじめたとき、多くの保護者の方が最初に抱く疑問は「小児矯正にはいくらかかるのか」ということではないでしょうか。歯並びの悪さは見た目だけでなく、将来的な健康問題にも影響する可能性があります。

私は東京医科歯科大学を卒業後、長年にわたり矯正歯科を専門に診療を行ってきました。その経験から、小児矯正の費用に関する正確な情報をお伝えしたいと思います。

この記事では、2025年最新の小児矯正の費用相場を段階別に詳しく解説します。また、保険適用の可能性や費用を抑える方法についても触れていきます。

小児矯正の費用相場とは?段階別の料金体系

小児矯正の費用は、治療の段階や使用する装置によって大きく異なります。一般的に小児矯正は「第1期治療」と「第2期治療」に分けられ、それぞれで費用構成が変わってきます。

まず、治療前にかかる初期費用について見ていきましょう。

治療前にかかる初期費用

小児矯正を始める前に必要となる費用には、主に以下のようなものがあります。

  • 初回相談・カウンセリング料:無料〜1万円程度
  • 精密検査・診断料:1万円〜5万円程度

初回相談を無料で行っている歯科医院も多いですが、精密な検査には一定の費用がかかります。これには、レントゲン撮影、歯型の採取、噛み合わせチェック、顔と口の写真撮影などが含まれます。

どうですか?初期費用だけでも結構な金額になりますよね。

第1期治療の費用相場

第1期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6〜10歳頃)に行われる治療です。この時期は顎の成長を利用して、永久歯が生えるスペースを確保することが主な目的となります。

第1期治療で使用される主な装置と費用相場は以下の通りです。

  • インビザライン・ファースト(マウスピース型矯正装置、薬機法対象外):40万円〜60万円程度
  • 透明なマウスピース型矯正装置で、取り外しが可能。顎の拡大と歯の移動を同時に行えます。
  • プレオルソ:5万円〜20万円程度
  • 取り外し可能なマウスピース型装置で、口呼吸の改善や舌の位置の修正などを目的とします。
  • 急速拡大装置:20万円〜40万円程度
  • 上顎の中央に固定して顎の幅を急速に広げる装置です。
  • プレート矯正(拡大床):10万円〜20万円程度
  • 主に上顎や下顎を横に広げる目的で使用される取り外し可能な装置です。

第1期治療では、これらの装置に加えて定期的な調整料が必要です。調整料は1回あたり3千円〜5千円程度が相場となっています。

第2期治療の費用相場

第2期治療は、永久歯が生え揃った後(11歳頃以降)に行われる本格的な矯正治療です。この段階では、歯の位置を整え、理想的な噛み合わせと歯並びを完成させることが目的となります。

第2期治療で使用される主な装置と費用相場は以下の通りです。

  • ワイヤー矯正(表側):30万円〜80万円程度
  • 歯の表側にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かす最も一般的な矯正方法です。
  • ワイヤー矯正(裏側):80万円〜150万円程度
  • 歯の裏側に装置を取り付けるため、外からは見えにくい特徴があります。
  • マウスピース矯正:30万円〜80万円程度
  • 透明なマウスピースを使用する矯正方法で、審美性に優れています。

私の臨床経験から言うと、第2期治療の費用は症例の難易度によっても大きく変わります。特に抜歯が必要なケースや、顎の成長に問題があるケースでは、追加の費用がかかることがあります。

小児矯正は保険適用になる?費用負担を軽減する方法

小児矯正の費用は決して安くはありません。そこで気になるのが保険適用の可能性です。結論から言うと、小児矯正は基本的に保険適用外の自費診療となります。

しかし、一部の症例では健康保険が適用されるケースもあります。

健康保険が適用される症例や条件

健康保険が適用される主な症例は以下の通りです。

  • 顎変形症:顎の骨格的な問題で、咀嚼や発音に障害がある場合
  • 口唇口蓋裂:先天的な障害による歯並びの問題
  • その他の先天異常:厚生労働大臣が定めた疾患に該当する場合

これらの症例に該当するかどうかは、専門医による診断が必要です。当院でも、保険適用の可能性がある患者様には詳しく説明しています。

小児矯正の費用負担を軽減する方法

保険適用外でも、費用負担を軽減するための方法はいくつかあります。

  • 医療費控除の活用:年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告で税金の還付を受けられます。小児矯正は医療費控除の対象となります。
  • 分割払い・デンタルローンの利用:多くの矯正歯科では、分割払いやデンタルローンを用意しています。当院でも月々9,000円〜18,000円程度の分割払いに対応しています。
  • 早期発見・早期治療:問題が複雑化する前に治療を始めることで、トータルの費用を抑えられる場合があります。

特に医療費控除は、年間で10万円以上の医療費を支払った場合に適用されるため、矯正治療を受ける多くの方が対象となります。確定申告の際に忘れずに申請することをお勧めします。

お子さんの状況に合わせた費用負担の軽減方法を、ぜひ一度ご相談ください。

小児矯正を始めるタイミングと費用対効果

小児矯正は、いつ始めるかによって費用対効果が大きく変わります。早すぎても遅すぎても、理想的な結果を得るために余分な費用がかかる可能性があります。

最適な治療開始時期と費用の関係

小児矯正の最適な開始時期は、お子さんの歯の状態や問題の種類によって異なります。一般的には以下のようなタイミングが考えられます。

  • 6〜7歳頃:永久歯が生え始める時期で、顎の成長を誘導する治療に適しています。クロスバイトや著しい出っ歯などの問題がある場合は、この時期に第1期治療を始めることで効果的な改善が期待できます。
  • 8〜10歳頃:前歯が生え揃う時期で、前歯の位置や傾きを整えるのに適しています。
  • 12歳以降:永久歯がほぼ生え揃った時期で、第2期治療(本格矯正)に適しています。

私の臨床経験から言えることですが、明らかな問題が早期に見つかった場合は、成長を利用した第1期治療を行うことで、後の第2期治療がシンプルになったり、場合によっては不要になったりすることもあります。

一方で、軽度の歯並びの乱れであれば、永久歯が生え揃ってから治療を始めた方が、トータルの費用を抑えられることもあります。

治療を先延ばしにするリスクと費用への影響

治療を必要以上に先延ばしにすると、以下のようなリスクと費用への影響が考えられます。

  • 問題の複雑化:歯並びの問題が進行し、より複雑な治療が必要になる可能性があります。
  • 治療期間の長期化:問題が進行すると、治療期間が長くなり、結果的に費用も増加します。
  • 抜歯の可能性:早期に対応できれば抜歯を避けられるケースでも、先延ばしにすることで抜歯が必要になることがあります。
  • 心理的な影響:思春期に入ると、矯正装置への抵抗感が強くなることがあります。

私がいつも患者様にお伝えしているのは、「治療の必要性が明確な場合は、適切なタイミングで始めることが結果的にコストパフォーマンスが良い」ということです。

小児矯正の種類別費用比較と選び方

小児矯正にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴と費用が異なります。お子さんに最適な矯正方法を選ぶためには、それぞれの特徴と費用を比較することが大切です。

取り外し式装置と固定式装置の費用比較

小児矯正で使用される装置は、大きく分けて「取り外し式」と「固定式」の2種類があります。

  • 取り外し式装置
  • 費用相場:5万円〜60万円程度
  • 特徴:自分で取り外しができる、装着時間の管理が必要
  • 代表的な装置:プレオルソ、インビザライン・ファースト(マウスピース型矯正装置、薬機法対象外)、プレート矯正など
  • 固定式装置
  • 費用相場:30万円〜100万円程度
  • 特徴:24時間装着されるため効果的、自己管理の負担が少ない
  • 代表的な装置:急速拡大装置、ワイヤー矯正など

取り外し式装置は、食事や歯磨きの際に取り外せるため衛生的ですが、装着時間の管理が必要です。一方、固定式装置は常に装着されているため効果的ですが、食べ物が詰まりやすいなどのデメリットもあります。

お子さんの年齢・症状に合わせた最適な選択

お子さんの年齢や症状によって、最適な矯正方法は異なります。

  • 6〜7歳頃:顎の発達を促す装置(プレオルソ、プレート矯正など)が適しています。
  • 8〜10歳頃:永久歯と乳歯が混在する時期には、インビザライン・ファースト(マウスピース型矯正装置、薬機法対象外)、急速拡大装置、ワイヤー矯正などが選択肢となります。
  • 12歳以降:永久歯が生え揃った後は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの本格矯正が適しています。

また、症状によっても選択肢は変わります。例えば、重度の叢生(歯の重なり)がある場合は、拡大装置による顎の拡大が必要になることがあります。一方、軽度の歯並びの乱れであれば、マウスピース型の装置で対応できることもあります。

私は常々、「最も安い治療法」ではなく「お子さんにとって最適な治療法」を選ぶことが、長期的に見て最も費用対効果が高いとお伝えしています。

まとめ:小児矯正の費用計画と相談のポイント

小児矯正の費用は決して安くはありませんが、お子さんの将来の健康と笑顔のための投資と考えることができます。ここまでの内容をまとめると、以下のポイントが重要です。

  • 費用の全体像を把握する:初期費用、装置代、調整料、保定装置代など、すべての費用を確認しましょう。
  • 複数の医院で相談する:治療方針や費用は医院によって異なるため、複数の専門医に相談することをお勧めします。
  • 支払い計画を立てる:医療費控除や分割払いなどを活用し、無理のない支払い計画を立てましょう。
  • 早期発見・早期治療の重要性:適切なタイミングで治療を始めることで、トータルの費用を抑えられる可能性があります。
  • 定期検診の習慣化:問題の早期発見のためにも、定期的な歯科検診を習慣にしましょう。

最後に、小児矯正は単なる見た目の改善だけでなく、咀嚼機能の向上や発音の改善、将来的な歯の健康維持など、多くのメリットがあります。費用面だけでなく、これらの長期的なメリットも考慮して判断することが大切です。

当院では、お子さま一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案しています。小児矯正についてご不明な点があれば、お気軽に目白歯科矯正歯科までご相談ください。経験豊富な専門医が丁寧にご説明いたします。

 

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