歯並びは良いけど口ゴボ?歯科矯正で治せる?3つの原因や治療方法を紹介します

歯並びは良いけど口ゴボ?歯科矯正で治せる?3つの原因や治療方法を紹介します

歯並びは良いけど口ゴボ?歯科矯正で治せる?3つの原因や治療方法を紹介します

歯並びの良さには自信があるものの、口ゴボ(口元が前に飛び出した状態)にコンプレックスを抱えている人も多くおられます。口ゴボを改善すればEラインが美しくなり、自分の横顔をもっと好きになれるかもしれません。それでは、口ゴボを歯科矯正で治すことは可能なのでしょうか。

 

この記事では、口ゴボの症状や原因をくわしく解説したうえで、口ゴボの具体的な矯正方法を3つ紹介します。コンプレックスを解消するための第一歩として、ぜひ本記事の情報をお役立てください。

 

口ゴボとは?

歯ブラシをもって考える女性

口ゴボは通称であり、正式には「上顎前突」と呼ばれています。口ゴボ以外では「出っ歯」と呼ばれることもあり、多くの人がコンプレックスにしている症状です。口ゴボの人には歯並びが良い人もいれば悪い人もおり、口ゴボになる原因は後述するとおりさまざまです。

 

自分自身が口ゴボかどうかを判断したい場合は、まず横顔の写真を撮影してみましょう。口が膨れたようにもっこりしている場合、一般論としては口ゴボと判断されます。また、人差し指を使ってEラインを確認し、きれいなEラインを形成できているかどうかも確認しましょう。

 

Eラインとは?

Eラインは「エステティックライン」の略です。横から顔を見て、鼻先から顎の先端を一直線に結んだラインをEラインと呼びます。Eラインを人差し指で結び、Eラインの内側に口先がある状態が理想的なEラインとされています。

 

口先が飛び出た口ゴボ状態の場合、口先に人差し指が押し出されて理想的なEラインを描けません。逆にいえば、口ゴボを解消すると美しいEラインを描けるようになり、自分自身の横顔を今よりも好きになれる可能性が高いでしょう。

 

「口ゴボ」の人は「歯並びは良い」場合もある

歯を見せる少女

「歯並びは良いはずなのに、なぜ口ゴボなの?」とお悩みの方もおられるかもしれません。しかし、歯並びが良いにもかかわらず口ゴボで悩んでいる方は意外にも多くいらっしゃいます。口ゴボの原因はさまざまなので、歯並びが良くても口ゴボになるケースもあります。

 

口ゴボは持って生まれたもので改善はできないと考える方もいますが、歯列矯正を行えばコンプレックスを解消できる可能性があります。

 

骨格的に問題がある場合でも、抜歯をして矯正治療を行えば前歯を大きく後退させることができ口ゴボを改善させることもできるので、治療を検討する価値が有るでしょう。

 

口ゴボに見える原因

鏡で口元を見る女性

口ゴボに見える原因として、以下の3点が挙げられます。

 

<口ゴボに見える原因>

  1. 骨格のバランスが悪い
  2. 骨格には問題ないが、前歯が出ている
  3. 口唇が厚い

 

残念ながら生活習慣の改善だけでは口ゴボは改善できませんが、口ゴボになる原因を抑えておきましょう。

 

①骨格の問題

歯はきれいに並んでいても、骨格が原因で口ゴボになることがあります。遺伝的な要因などで骨の大きさがアンバランスであったりすることが主な原因です。

 

上顎の骨が前突している、上下の骨が全体的に前突している、下顎が後退しているなど、どれも矯正治療でアプローチすれば口元の印象を改善できるでしょう。

 

先天的な骨格の問題以外にも、後天的な要因で口ゴボになることがあります。たとえば、幼少期に指しゃぶりを長く続けていたり、唇を噛む癖があったりなどすると、下顎がうまく発達しなかったり、上顎が過成長してしまい骨格的に口ゴボになってしまうことがあります。

 

②骨格には問題ないが、前歯が出ている

歯の模型と治療器具の鏡

上顎の前歯が前方に大きく傾いている場合や突き出ている場合は、骨格には問題がなくても、口ゴボに見えてしまうようになります。また上顎だけでなく上下の前歯が前方に傾斜していたり突出している場合も口ゴボに見えてしまいます。

 

このような骨格には問題がなく歯並びや前歯の突出による口ゴボの場合は、矯正治療で治せる確率が高くなりますので、是非矯正治療を検討してみましょう。

 

➂口唇が厚い

歯や骨に問題がない場合でも、口唇が厚い場合は口元が盛り上がって見えることがあります。ダイエットや表情筋のトレーニングで変化が起こることもありますが、遺伝的な厚みは改善が難しいこともあるでしょう。

 

矯正治療では対応が難しい状態にあたります。

 

口ゴボの場合の矯正治療方法

歯の模型と透明のマウスピース

歯並びは良いのに口ゴボに悩んでいる場合は、以下の矯正治療方法で症状を改善できる可能性があります。

 

<口ゴボの場合の矯正方法>

  1. マウスピース矯正
  2. ワイヤー矯正
  3. 骨格の外科手術

 

それぞれの矯正方法の特徴をお伝えするので、自分自身にマッチするものを見つけてみましょう。

 

①マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを歯にはめて歯列矯正を行う方法です。ごく一般的な治療法であるワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、自分で付け外しできることなどがメリットです。まずは概要を確認してみましょう。

 

【マウスピース矯正の概要表】

費用 ・80万~120万円(全体矯正)
期間 2年~3年(保定期間を除く)
メリット ・矯正装置が透明で目立ちにくい

・ワイヤー矯正と比べて痛みや違和感が少ない

・飲食の際などに付け外しができ衛生的

注意点 骨格的な問題がある症例には治療できない

・付け忘れや紛失をすると治療期間が延びる

外科矯正には対応できない

 

マウスピース矯正ならではのメリットとして、自分自身で付け外しができる点も見逃せません。飲食や歯みがきの際は取り外せるため、治療開始前と同じ感覚で生活できます。また、マウスピースを洗浄できるため、衛生面で優れていることもメリットです。

 

注意すべきなのは、付け忘れや紛失のリスクがあり、1日20時間以上装着しなければシミュレーションどおりに歯列矯正が進みません。

 

②ワイヤー矯正

ワイヤー矯正した歯の模型

ワイヤー矯正は、多くの人がイメージする歯列矯正そのものです。表側矯正は歯の表側に、裏側矯正は歯の裏側に矯正装置を取り付けて矯正します。また、両方の良さを取り入れられるハーフリンガル矯正では、上の歯を裏側矯正、下の歯を表側矯正にして治療を行うことが特徴的です。

 

【ワイヤー矯正の概要表】

費用 表側矯正:70万~100万円

裏側矯正:120万~150万円

ハーフリンガル:100万~130万円

期間 1年半~2年(保定期間を除く)
メリット ・多くの症例に対応できる

・表側矯正はその他の治療法と比べて費用が安い

・短期間での治療を見込みやすい

注意点 ・表側矯正は矯正装置が露出するため審美性に欠ける

・裏側矯正やハーフリンガル矯正は高額な費用がかかる

・マウスピース矯正と比べて痛みや違和感を覚えやすい

 

いずれも多くの症例に対応できますが、マウスピース矯正と比べると表側矯正、ハーフリンガルでは審美性で劣ります。ワイヤー矯正は矯正の種類によって特徴や費用が大きく異なるため、自分に合った治療法の選択が重要です。

 

③骨格の外科手術

重度に骨格のバランスが悪く口ゴボになっている場合は、歯列矯正だけで口ゴボを改善することは難しく、骨格の改善を行う外科矯正を行う必要があります。こちらも概要をチェックしておきましょう。

 

【骨格の外科手術の概要表】

費用 約100万円
期間 ・手術:数時間程度

・日常生活への復帰:1ヶ月程度

メリット ・歯列矯正では対処できない重度の症例を改善できる

顔の形を大きく改善できる

・骨に対して歯を無理なく並べることができ

注意点 ・咀嚼できるようになるまでに1ヶ月程度がかかる

・治療を受けるために原則として入院が必要になる

 

外科手術によって顎の骨を分割して後方にさげたり、位置をずらしたりといった根本的な治療を行えます。費用は顎変形症と診断された場合は保険診療の適応になりますが、矯正治療費や手術代、入院費用などで約100万円かかります。ただし治療には入院が必要で、咀嚼を再開するまでに1ヶ月程度がかかるため、大がかりな治療になることを覚悟しなければなりません。

 

まとめ

歯の模型とレントゲンで説明する歯科医

歯並びが良くても口ゴボになるケースも見受けられます。原因は骨格的に問題がある場合が多くなります。骨格の問題は先天的なものもあれば後天的なものもありますが、症例によっては歯列矯正で抜歯治療を行うことにより前歯を後退させることにより口ゴボの改善を行うことができます。歯列矯正だけでは治療が困難だとしても、外科手術を組み合わせることで口ゴボを改善することもできます。

 

目白歯科矯正歯科は、矯正歯科専門の歯科医院で、すべての患者様に日本矯正歯科学会認定医の院長が治療を行っています。あらゆる症例に対応した実績とノウハウを生かし、口ゴボを改善するための最善策をご提示できるため、ぜひ当院をご利用いただいて口ゴボを改善なさってください。

 

監修:山澤 秀彦 (やまさわ ひでひこ)目白歯科矯正歯科/院長

 

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