2024/09/24
【マウスピース型矯正装置(インビザライン ※薬機法対象外)を行って後悔したこと・後悔しないために知っておくべきこと】
2019/08/19
歯科医院のホームページを見ていて、「当院ではマイクロスコープを使用しており……」といった紹介文をご覧になったことはありませんか? マイクロスコープは「デジタル顕微鏡」や「手術用顕微鏡」とも呼ばれる医療機器です。患部を肉眼の3~20倍に拡大し、歯科治療の精度を格段に上げる機器として認知されています。
目白歯科矯正歯科では、高精度の歯科治療実現にはマイクロスコープの導入が不可欠と考え、この度一般歯科用にマイクロスコープを導入しました。以下では、マイクロスコープの概要とメリットをご紹介します。当院でマイクロスコープを使った治療を受けるにあたり、患者様ご自身にどのようなメリットがあるかイメージするのにお役立てください。
◆マイクロスコープってどんなもの?
マイクロスコープとは、前述のように患部を肉眼の2~30倍に拡大して見ることができる医療機器のことです。はじめは耳鼻科・眼科で使用されていましたが、その後脳神経外科や産婦人科、心臓外科でも活用されるようになり、歯科では1990年代から使用されるようになりました。
一般的に人間の二点識別域は、裸眼の場合0.2mmが限界とされています。そのため、マイクロスコープを使用することで、歯科医師はより高精度な治療を行うことが可能になるのです。なかでも根管治療では、マイクロスコープが積極的に活用されています。根管は複雑で細かい形態になっており、マイクロスコープを使わない場合、歯科医師がそれまでの経験や勘を頼りに治療を行う必要がありました。そのため、歯の「削り残し」や、「削り過ぎ」が生じることもあったのです。しかし、マイクロスコープを使用すると患部を拡大し、「直接」目で見て治療を進めることができます。
このように高精度の歯科治療を実現するマイクロスコープですが、日本の歯科医院では導入が進んでいないというのが現状です。普及率が低い理由には、機器自体が高価であること、使用するためには歯科医師自身に高い技術力などが必要であることが挙げられます。しかし、目白歯科矯正歯科では、患者様により正確な治療をお受けいただくため、マイクロスコープを一般歯科用に導入。患者様のお口の健康をお守りいたします。
◆マイクロスコープを使うメリット
当院では、マイクロスコープのメリットをあらかじめ患者様にご説明してから、治療を開始いたします。以下では、マイクロスコープを使用するおもなメリットを紹介するので、治療を受ける際の参考にしてください。
◎正確な治療を実現! 患者様の負担を減らせる
患部を拡大して見られるマイクロスコープでは、歯と詰め物の隙間をしっかり確認することができます。そのため、歯をきれいに削ることはもちろん、健康な歯質を削り過ぎず治療を進めることが可能です。きれいな治療を行える分、一回あたりの治療時間は長くなりますが、全体の治療回数は従来よりも減らすことができます。
このようにマイクロスコープを使うと、歯そのものに負担をかけないことに加え、来院回数を最小限に留めることも可能に。患者様の負担を減らすことができるのです。
◎ぴったりとした被せ物をつくれる
マイクロスコープでは、肉眼の2~30倍まで患部を拡大しできます。そのため、被せ物をつくる際も、患者様の歯の状態にぴったりと合ったもの製作することが可能です。ぴったり合った被せ物の場合、天然歯と被せ物の間にすき間が生まれず、その結果虫歯ができにくいというメリットがあります。
◎搭載カメラで治療の様子を確認できる
マイクロスコープにはカメラが搭載されているため、治療の様子を撮影し動画や写真で確認することができます。写真の場合、拡大してモニターに映し出すことも可能です。
従来の治療では、お口の中の様子をカメラで撮影することはあっても、「拡大」することはできませんでした。しかしマイクロスコープを使用することで、患者様はモニターを見ながらご自身の治療がどのように進められているか、また初診時に比べて歯がどのように治癒しているかをより正確に確認することができます。
◆歯科用CTと併用し、より精度の高い治療を実現
マイクロスコープは、「歯科用CT」と併用することもあります。歯科用CTでは、一般的なレントゲンでは把握できない顎の骨の形態や神経の位置を、立体画像で確認することが可能です。おもにインプラトの埋入位置や親知らずの位置を確認したり、歯根の状態を調べて歯周病の進み具合を確認したりするときに使用されます。
マイクロスコープと歯科用CTを併用すると、マイクロスコープの「肉眼では見えない患部を拡大できる」特性と、歯科用CTの「患部を三次元的に把握できる」特性の両方を駆使し、歯科治療の精度をより高めることができるのです。
◆外科治療や歯の「お掃除」にも役立つマイクロスコープ
マイクロスコープは、口腔外科の歯科医が歯科外科治療を行う際にも使用されます。患部を拡大できるため切開や縫合を正確に行うことができ、その結果傷口の伸縮が少なくて済み、切開した場合も治りが早いのです。
また、自由診療ではありますが、歯科衛生士による「歯のお掃除」でもマイクロスコープが活用されています。従来、歯石の除去には指の感覚で歯石を確認するなど、衛生士自身の経験と技術力に頼る部分が大きかったのです。しかし、マイクロスコープで細かな部分を確認することで、歯の汚れをより確実に落とすことが可能に。一回あたりの治療時間は長くなりますが、健康な歯まで傷つけて痛みを誘発するといったリスクを防ぐことができます。
◆マイクロスコープの課題
マイクロスコープは高精度の歯科治療を実現する医療機器ですが、導入していない歯科医院も数多くあります。機器自体が高価であるという理由もありますが、一回あたりの治療時間が長くなるため「効率的ではない」という意見もあるからです。しかし当院では、高精度の治療を行い患者様のお口の健康を守るため、マイクロスコープを導入しました。
また、マイクロスコープが普及していない理由のもうひとつに、「歯科医師自身に高い技術力が求められる」というものもあります。当院に所属する一般歯科の医師は、セミナーでマイクロスコープの使用方法を学び、その後もマイクロスコープを使い慣れるために、模型を使った自主練習を積み重ねています。
このようにマイクロスコープは、歯科治療を確実に進め、患者様の負担を減らすための貴重な医療機器と言える一方で、コストや技術力の面で導入が難しい機器でもあるのです。そのため、マイクロスコープによる治療を行っている歯科医院は、歯科医療への意識が高く、技術力の高い歯科医師が所属している、と言えるでしょう。マイクロスコープを導入しているかどうかを、歯科医院選びの基準のひとつとしてもよいかもしれません。