2025/03/27
お口から健康に!食べる品目を増やしましょう
こんにちは衛生士の大澤です🐼
「歯磨きは食後30分経ってから行う方がよい」
という情報を耳にしたことがあるかもしれません。
食後はお口の中が酸性に傾くため、このタイミングで歯を磨くと、やわらかくなったエナメル質が歯ブラシによって傷つく
そのため、食後すぐではなく、唾液が酸を中和するのを待ってから歯みがきをするのが理想的だ、という説明です。
しかし、この情報は正しいとは言えません。
この情報源となった実験は次のようなものです。
実験用に用意した象牙質の切れ端をpH2.9の炭酸飲料水に90秒間浸して脱灰させます。
この象牙質を特殊な装置を用いて人の歯の表面に装着します。
そして、さまざまなタイミングで歯みがきをします。
この脱灰と歯磨きを1日2回、21日間にわたって行います。
21日後に測定すると、脱灰の直後あるいは10~20分後に歯みがきをした象牙質の切れ端はかなり削れていました。
ところが、30分以上経ったあとに歯みがきをすれば、歯みがきをしないのと同じ程度にしか摩耗しませんでした。
この結果から、歯みがきは食後30分経ってからと解釈されて、マスメディアを通して広がったのです。
同じ実験を象牙質ではなく、エナメル質の切れ端を用いるとどうなるのでしょうか。
脱灰して60分経った後、つまりどのタイミングで磨いても、磨いていない切れ端と比べて、エナメル質は削れてしまったのです。
脱灰された歯は、やわらかい歯ブラシで擦っただけで摩耗する可能性があるのです。
しかし実際には、実験の様な酸蝕と摩耗はめったに生じることがありません。
100%オレンジジュースを飲み終わった直後でも、唾液のpHは5.5以下には下がらないという事実があります。
唾液の緩衝作用があるからです。唾液のおかげでエナメル質はそう簡単には脱灰されないのです。
歯みがきはどのタイミングで行っても大丈夫なので、安心してください☺